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サツマイモ基腐病のまん延防止にご協力ください!
- サツマイモの茎の黒変や塊根(いも)の腐敗を引き起し、最終的には株が枯死する「サツマイモ基腐病」が、令和2年10月に県内で初めて確認されました。
- 「サツマイモ基腐病」は、沖縄県、宮崎県、鹿児島県で被害が拡大しており、サツマイモ生産上位5県を含む多くの都道府県で発生が確認されています。
- この病気は、感染した種いもや苗、残さ、水等により伝染します。消毒や残さの除去、排水対策等を徹底し、まん延の防止にご協力をお願いします。
病気の特徴
- 糸状菌(カビ)により引き起こされ、発病した苗、塊根(いも)や、土壌中のサツマイモの残さ(葉や茎の残骸)、畑の中に溜まった水などで伝染します。
- 発生の初期は、地際部の茎および茎に近い塊根部分が黒色~暗褐色に腐敗します。被害が進むと、茎の上部および塊根全体に腐敗が広がり、最終的に株が枯死します。
病気を発生させないために
1 健全な種いも、苗を使用しましょう。
生産場所などの生産履歴がはっきりした健全な種いも、ウイルスフリー苗を使用してください。(サツマイモ基腐病が発生したほ場で生産された種いも、苗は絶対に使用しないでください。)
2 種いも、苗は必ず消毒して使用しましょう。
- 種いもは、トップジンM水和剤に30分間浸漬し、十分に風乾しましょう。
- 植付前に、バケツ等を利用して苗を薬剤で浸漬処理しましょう。(ベンレート水和剤及びベンレートT水和剤20は30分間、トリフミン水和剤は17時間浸漬。)
※農薬を使用する際は、必ずラベルにある注意事項を守りましょう。
3 苗床や植え付けるほ場は必ず土壌消毒を行いましょう。
苗床や作付けを行うほ場(本ぽ)は、土壌殺菌剤(バスアミド、キルパー、フロンサイドsc、フロンサイド粉剤またはフリントフロアブル25)で土壌消毒を行い、苗からの感染防止に努めましょう。
※バスアミド及びキルパーで土壌消毒を行う際は、必ずビニール等で土壌を被覆しましょう。
4 植え付け前に排水対策を徹底しましょう。
ほ場まわりに溝を切る(額縁明きょ)など、排水を良くし、ほ場内に水が溜まらないようにしましょう。
病気が発生してしまったら
1 病気が広がる前に、発病した株をほ場の外に持ち出してください。
- ほ場の一部で発生している場合、株ごと(いもを含む)持ち出し、ほ場外(周囲にサツマイモほ場や水路がない場所)で腐熟させてください。
※抜き取る際は、肥料袋に感染株を入れて移動するなど、葉や茎、土を落とさないようにしてください。
2 発病した株を除去した後に、薬剤を散布してください。
- 病気が周りの株に広がることを防ぐために、薬剤(Zボルドー、ジーファイン水和剤、アミスター20フロアブルまたはトリフミン水和剤)を複数回散布してください。
- これらの薬剤は植物の表面を保護する効果があるため、定期的に複数回、かけむらが無いよう散布してください。
3 病気が発生したほ場では、早めに収穫してください。
- 発病した株を抜き取った後は、なるべく早く収穫してください。特に、台風が通過した後など、茎が傷ついて水がたまった状態が続く時は、病気がまん延する恐れがあるため、早めに収穫してください。
- 収穫が終わったら、ほ場から茎や葉などの残さを速やかに除去してください。
- 発生箇所周辺の残さや土中には、病原菌が存在する可能性があります。収穫後は速やかに細断してすき込み、分解を促進してください。
※11月下旬から2月にかけての低温期に残さをすき込んでも、防除効果は期待できません。
4 病気が発生したほ場で使用した長靴、機械、コンテナ等は、土や残さが残らないようしっかり洗浄してください。
周知用リーフレット
【リーフレット】サツマイモ基腐病のまん延防止にご協力ください! (PDFファイル:907KB)
参考情報
- 農研機構 サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策マニュアル(令和4年度版)
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/pamphlet/tech-pamph/158250.html<外部リンク>
- 九州農政局 サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策
https://www.maff.go.jp/kyusyu/syohianzen/nouchiku/syokubou.html<外部リンク>
- 熊本県病害虫防除所 サツマイモ基腐病 病害虫発生予察特殊報