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令和2年8月熊本県議会臨時会における議案説明要旨

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0050924 更新日:2020年10月1日更新

1.最近の県政の動向について

 今回の臨時会に提案しております議案の説明に先立ち、最近の県政の動向について御説明申し上げます。

(1)令和2年7月豪雨への対応について

 まず、令和2年7月豪雨への対応についてです。
 7月3日から4日朝方にかけて、県南9地点で12時間の降水量が観測史上1位を記録するなど、広範囲に大量の雨が降り続きました。

 その雨が球磨川に流れ込み、氾濫を引き起こし、県南地域を中心に甚大な被害をもたらしました。
 今回の豪雨による河川の氾濫や土砂災害等により、8月3日現在で、65名の尊い命が失われ、2名の方が行方不明となっています。
 また、家屋の被害は、現在把握しているだけで、全壊の住宅が223棟、家屋被害全体としては、9,000棟を超えています。
 さらに、約1,400人の方が避難所での生活を余儀なくされています。
 改めまして、亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 今回の災害に対し、県では発災後、直ちに災害対策本部を設置し、人命救助に全力を尽くすとともに、飲料水、食料等救援物資の提供や職員派遣による現地支援を行ってきました。
 また、県内のボランティアの方を対象に、被災地支援を目的とした災害ボランティアバスを運行し、支援を必要とする被災地へ、県民パワーをお

 届けし、復旧を後押ししています。
 さらに、被災者の方々にできるだけ早く生活の場を提供するため、スピード感をもって仮設住宅の建設を進めており、既に7市町村で14団地425戸の建設に着手しています。
 引き続き、救援物資提供や仮設住宅の建設などの応急対応を行って参りますが、今後、本格的な復旧・復興へとフェーズを進めていかなければなりません。その際は、新たな専任組織の設置を含め、復旧・復興を強力に推進するための体制を整え、万全の対応を行って参ります。
 また、7月21日には、緊急に対処すべき被災者の救済や生活支援など、総額291億円の補正予算について議会の御理解もいただきながら専決させていただきました。
 国においては、発災後、直ちに現地災害対策室を設置され、プッシュ型支援をはじめ、激甚災害の早期指定や4千億円を超える対策パッケージの

 表明など、切れ目のない強力な支援策を迅速に打ち出していただきました。
 また、国をはじめ、全国の関係自治体には、発災直後から被災者救護のために多くの応援職員を派遣いただいております。さらに、多くのボランティアの方々にも、被災地支援に御尽力いただいており、心より感謝申し上げます。
 県では、県議会をはじめ、県選出国会議員や市町村、関係機関が一丸となり、2度の緊急要望を実施しました。
 その結果、政府においては、球磨川の流失した橋梁10橋をはじめ、国道219号等の道路や河川について、権限代行による復旧事業の着手など、迅速に対応いただきました。さらに、いわゆるグループ補助金をはじめとする多くの要望項目が盛り込まれた対策パッケージが、先月末、閣議決定

 されました。この場をお借りして、改めて御礼申し上げます。
 本県は4年前の熊本地震からの復興途上にある中、新型コロナウイルス、そして今回の豪雨災害と、トリプルパンチに見舞われています。
 大変厳しい状況にはありますが、被災された方々が将来に向かって生活再建や地域の再生への歩みを進めていけるよう、県庁が一丸となり、全力を尽くして参ります。

(2)新型コロナウイルス感染症への対応について

 次に、新型コロナウイルス感染症への対応についてです。
 いわゆる第2波に備える対策として、PCR検査の対応能力の強化や、各地域におけるPCR検査センターの設置に向けた取組みを加速化してきました。
 医療提供体制についても、感染者受入病床を最大400床確保するとともに、宿泊療養施設も1,430室確保するなど、医療提供体制を着実に強化してきています。
 このような中、先月末、県内初のクラスターが発生しました。
 このため、これ以上の感染拡大を防止するために、積極的疫学調査を行うとともに、濃厚接触者の検査を早急に進めるなど、最大の危機感を持って、必要な対応を迅速に行っています。
 また、被災地における感染拡大防止対策にもしっかりと取り組んで参ります。
 これらの対策とともに、県民、事業者の皆様と一丸となった「新しい生活様式」の定着推進など、引き続き感染拡大防止の取組みを進めて参ります。
 経済的な影響を受けた事業者の支援については、資金繰り対策をはじめ、休業要請協力金や事業継続支援金の創設、雇用調整助成金の活用などにより、パッケージで支援を行って参りました。
 これからは、事業者の「新しい生活様式」に合わせたビジネス展開や生産性向上の取組みを支援するなど、県経済回復のための施策を実行して参ります。
 また、消費低迷の影響が未だ続いている農林水産物についても、経営が悪化した農林漁業者への金融支援、農林水産物の需要喚起や販路拡大などに取り組んでいきます。
 今後も、感染拡大防止と、地域経済や県民生活の回復という2つの目標のベストバランスを目指して参ります。

(3)JR豊肥本線の全線開通について

 次に、JR豊肥本線の全線開通についてです。
 阿蘇への重要なアクセスルートのひとつであるJR豊肥本線が、今月8日に全線開通します。JR九州をはじめ、国土交通省や関係者の皆様の御尽力に改めて深く感謝申し上げます。
 県民の皆様が待ち望んできた鉄道の開通は、通勤・通学といった地元の生活のみならず、阿蘇をはじめ熊本全体、ひいては九州全体の観光・経済にとっても大変重要な意味を持つものです。
 これまでの復興支援への感謝の気持ちを込めて、阿蘇地域の皆様と一緒に、精一杯のおもてなしを行って参ります。
 また、地域住民に愛され、将来的に持続可能な運営が確保されるよう、地元市町村と一体となって利活用を図って参ります。

2.議案について

 続いて、今臨時会に提案しております議案について、御説明いたします。

 まず、一般会計補正予算は、令和2年7月豪雨からの速やかな復旧・復興を図るため、被災者の救済や生活支援など、緊急性が極めて高い事業を計上した7月補正予算に続き、早期に着手できる道路や河川、学校の復旧に係る経費など、87億円を計上しています。また、新型コロナウイルス感染症対策として、355億円を計上しています。
 この結果、442億円の増額補正となり、これを現計予算と合算しますと、8,810億円となります。
 このほか今臨時会には、「熊本県特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する条例」の制定など、各種条例案件や、専決処分に係る報告・承認案件なども併せて提案しております。

 これらの議案について、よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。