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平成30年度予算編成方針
1 基本的な考え方
本県に甚大な被害をもたらした平成28年熊本地震から1年5カ月が経過した。「熊本復旧・復興4カ年戦略」に基づく全庁を挙げた取組みにより、復旧・復興は一歩一歩着実に進んでいる。震災からの復興は活力ある熊本の再生そのものであり、次年度以降もこの流れを更に強く、大きくし、本県の将来の発展へとつなげていく必要がある。
これらのことを職員全員で共有したうえで、平成30年度予算は、次の点を踏まえた編成とする。
- 「熊本復旧・復興4カ年戦略」に掲げる施策を基本とし、創造的復興に向けた重点10項目をはじめとして、「将来世代にわたる県民総幸福量の最大化」に寄与し、復旧・復興と熊本の更なる発展につながる必要不可欠な取組みを加速化する。
- 中期見通しにおける中長期的な財源不足の解消や、国・地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス)についての黒字化に向けた動きなど地方財政及び本県財政への影響などが不透明な状況のため、通常県債(※)残高を増加させない予算編成を継続させる。
※通常県債とは、震災対応分及び臨時財政対策債等を除いた県債。
- 別添「平成30年度当初予算の大まかな収支見通し」は、国の「平成30年度地方財政収支の仮試算【概算要求時】」を踏まえて作成しており、国の仮試算の条件と同様に試算した数値である。
2 大まかな財政収支の見通し
- 歳 出 8,726億円
- 歳入 8,690億円(財源対策後)
- 財源不足 ▲36億円(財源対策前▲335億円)
(注1)上記の算定は、財政調整用4基金の残高を84億円確保することを前提とした見通し。
(注2)財源不足▲36億円については、予算編成過程において、歳入歳出両面における更なる見直しにより解消を図る。
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また、復旧・復興には長い時間と多くの財源、そしてマンパワーも必要である。本年5月に公表した「中期的な財政収支の試算」(以下「中期見通し」という。)においては、来年度以降平成35年度までの間に各年度29億円から94億円の財源不足が生じることが見込まれた。来年度以降も安定した財政運営の下で、復旧・復興を着実に推進していくためには、真に必要な事業への選択と集中や効率的な予算執行を不断の取組みとしていかなければならない。
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3 主な予算要求基準
平成30年度の予算要求基準は、「熊本復旧・復興4カ年戦略」に掲げる施策を基本とし、「復旧・復興3原則」の下、「将来世代にわたる県民総幸福量の最大化」に寄与し、復旧・復興と更なる発展につながる必要不可欠な取組みを加速化させる必要がある。
一方で、平成29年度の予算要求基準においては、一般行政経費や単独投資的経費において、平成以降最大となる対前年度80%のシーリングを設定するなど、全庁を挙げて「創造的復興加速化予算」編成のために努力しており、平成30年度においてもこれらの水準を維持していく。さらに、投資的経費については、熊本地震の経験を踏まえた機能維持の重要性や国際スポーツ大会の開催等を見据え、県が管理する道路・河川等を良好に維持する必要があることから新規整備等を抑制し、維持管理への重点化を図る。
(1) 義務的経費
(1) 人件費
所要見込額
(2) 扶助費
(3) 公債費
(2) 一般行政経費
(1) 一般行政経費
(下記(2)、(3)以外)
平成29年度当初予算の一般財源等の範囲内の額
(2) 税交付金・法定負担金等
所要見込額
(3) 平成28年熊本地震関連事業
所要見込額
(3) 投資的経費
(1) 補助事業
平成28年熊本地震関連事業及び熊本広域大水害関連事業
:所要見込額
通常事業:平成29年当初予算の範囲内の額
(2) 単独事業
通常事業:平成29年当初予算(維持系)の120%以内の額
通常事業:平成29年当初予算(維持系 の85%以内の以外)
(3) 国直轄事業負担金
所要見込額
(4) 連続立体交差事業
所要見込額
(5) 災害復旧事業
所要見込額
(4) 創意工夫ある歳入確保策に係る優遇措置
創意工夫ある新たな歳入確保策に取り組む場合は、当該歳入確保額の概ね1/2を平成30年度予算要求基準に上乗せして要求できるものとする。
4 予算編成過程の透明化
予算要求並びに財政課長、総務部長及び知事の予算査定段階ごとに、その査定状況を県HPで公表し、予算要求から予算案を策定するまでの編成過程の透明性の確保を図る。