本文
熊本地域地下水総合保全管理計画
阿蘇外輪山西麓から熊本平野およびその周囲の台地に広がる熊本地域は、特有の地質構造により、一つの大きな地下水盆を共有しています。わたしたちは生活用水のほぼ百パーセントを地下水で賄っているほか、工業、農業などの産業用水として利用するなど、清冽で豊富な地下水の恵みによって発展してきました。
環境の変化や人口の増加、都市化の進展等により、国内外において水資源の確保が課題となる中、全国でも有数のこの地下水の存在は、わたしたちの暮らしの基盤であるだけでなく、熊本地域の潜在能力を高める戦略資源とされています。
しかし、その地下水が今、水量、水質とも危険信号を示しています。地下水かん養域の減少による地下水位の低下や湧水量の減少が観測されるほか、硝酸性窒素濃度が環境基準を超える井戸が分布するなど、地下水汚染が顕在化しつつあります。
地下水は、地下深く帯水層をゆっくり流れており、こうした問題は決して一市町村だけで解決できるものではなく、また、行政だけでなく、住民、事業者等総参加による取り組みが不可欠です。
この計画は、住民、事業者、行政が一体となって取り組む共通の地下水保全目標を設定し、それぞれの役割の中で地下水保全の取り組みを通じて、水量と水質の両面にわたって地下水を管理していくための指針として、熊本地域14市町村と県が共同で策定したものです。
なお、平成20年度末を目途に、この計画に基づく5年間の行動計画を策定することとしています。
平成20年9月2日
※ 熊本地域14市町村
熊本市、菊池市、宇土市、合志市、城南町、富合町、植木町、大津町、菊陽町、西原村、御船町、嘉島町、益城町、甲佐町