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歯の健康

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0005030 更新日:2020年8月1日更新

基本的な考え方

metabo_haの画像1

 むし歯及び歯周病に代表される歯科疾患は、食生活や社会生活等に支障をきたし、ひいては、全身の健康に影響を及ぼすこととなります。
 また、歯及び口腔の健康を保つことは、単に食物を咀嚼するという点からだけでなく食事や会話を楽しむなど、豊かな人生を送るための基礎となるものです。
 現在、国において、生涯にわたり自分の歯を20本以上保つことを目標とした8020運動が提唱され、県も推進しています。
 8020の実現に向け、歯の喪失の2大原因であるむし歯と歯周病の予防のため、それぞれの疾病の急増期である幼児期と学齢期のむし歯予防、成人期の歯周病予防に取り組み、生涯を通じた歯及び口腔の健康づくりを進めます。

むし歯予防

むし歯の原因は3つ、だから予防法も3つ

 むし歯の主な原因は、甘い飲食物、むし歯菌、歯の質の3つです。
むし歯を予防するには甘いものをひかえ、歯磨きでむし歯菌を取り除き、フッ化物を使って歯を強くすることの3つが大切です。

むし歯の原因と予防

 熊本県の子どものむし歯は、全国と比べて多く、効果的な予防方法を活用したむし歯予防に取り組む必要があります。
 特に、効果的なフッ化物活用として、フッ化物塗布やフッ化物洗口、フッ化物配合歯磨剤の使用等、個人、施設等において取り組んでいく必要があります。

乳歯のむし歯の状況

乳歯のむし歯の状況の画像

永久歯のむし歯の状況

永久歯のむし歯の状況の画像

生涯を通じた上手なフッ化物の利用法

 フッ化物の利用は生涯を通じて行うことが必要です。むし歯になりやすい時期のフッ化物の利用は大きな効果が期待できます。
※むし歯になりやすい時期:歯が生え始めてから2~3年の間、乳歯や永久歯が次々に生えてくる1歳から中学生くらいまで。

年齢と場面に応じたフッ化物応用

 フッ化物応用:吐き出しができない低年齢児には低濃度(100ppmF)のフッ化物溶液による歯磨き、泡状のフッ化物配合歯磨き剤、フッ化物スプレー等

 ※注:フッ化物洗口は集団応用が家庭応用のいずれか一方を選択、その他のフッ化物応用は複合応用が可能

フッ化物歯面塗布

歯科医師、歯科衛生士が歯にフッ化物を塗布する方法です。年2~4回程度定期的に行うことにより効果が得られます。

フッ化物洗口

フッ化物洗口液でうがいをする方法です。週1回法と毎日法があります。効果が高く、集団で行うのに適したむし歯予防方法です。

フッ化物配合歯磨剤

歯磨きの時に、フッ化物の配合された歯磨剤を使う方法です。成分欄に「フッ化ナトリウム」「モノフルオロリン酸ナトリウム」等とあります。

フッ化物とむし歯予防

こんなにむし歯が減ります!

 阿蘇市の旧波野村地域では、平成7年11月から保育所でフッ化物洗口が開始され、平成9年3月からは小学校と中学校で開始されました。

むし歯調査(永久歯の1人平均むし歯本数)

永久歯の一人平均むし歯数が減りました。

小学生で
 2.47本が0.85本に
中学生で
 4.34本が1.38本に
12歳児で
 3.88本が1.37本に

 

 

むし歯調査(6歳臼歯がむし歯になっている者の割合)永久歯で最も重要な役割をもつ第一大臼歯(6歳臼歯)のむし歯をもつ子どもの割合が減りました。
小学生で
 46.2%が9.1%に
中学生で
 77.6%が29.5%に

正しく実施されたフッ化物洗口は安全です!

 どんな栄養素や薬でも、少なすぎると役に立ちません。また、多すぎると害になります。適量であってこそ、栄養となり薬となるのです。フッ素も同様、量が大切です。適正濃度で応用すれば安全です。

継続して体内に取り入れるフッ素の1日量グラフ

 

週1回法の場合、1人分のフッ化物洗口液中のフッ素は9mg、1回分の洗口液を飲み込んでも急性中毒は起こりません。

 

 

 

フッ化物応用は、WHOをはじめ厚生労働省、日本歯科医師会等多くの専門機関・団体が推奨しています。


フッ化物洗口実施マニュアル

リーフレット

リーフレット「むし歯予防プクプクうがい(フッ化物洗口)」(PDFファイル:497KB)

絵本

フッソくんでブクブクピッカピカ(PDFファイル:1.1MB)

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フッ素について正しく理解しましょう

 熊本県では、実施方法が簡単で、むし歯予防に効果の高い、フッ化物洗口を保育所・幼稚園、学校で推進しています。

 フッ素について、一般的なQ&Aを御紹介します。

Q.1 フッ素はどんなものですか?

A.1

 フッ素(元素記号はF)は、自然のなかに広く存在している元素の一つで、人体、地中、海水、河川水、植物、動物などにすべてに微量ながら含まれています。

食品にも含まれていて、私たちは必須栄養素として日頃普通に食べたり飲んだりしています。例えば、お茶、紅茶の葉には100~500ppm含まれており、実際にお茶としてお湯を入れて飲む場合には、0.1~1ppmくらいの濃度になっています。

 しかし、通常食物から摂るフッ素の量では、むし歯を抑えるには不足していますので、フッ化物塗布や洗口、フッ化物入り歯磨き剤の形で利用しています。

※ ppm(ピーピーエム)とは百万分の1の割合を表す単位。例えば、ある物質1kg中に1mgのフッ素が含まれている場合、その物質のフッ素濃度は1ppmとなります。

Q.2 フッ素洗口とは、どんなものですか?

A.2

 比較的低濃度のフッ化物洗口液を少量口に含みブクブクうがいをする方法です。

 週1回法と毎日法があり、うがいが上手にできる4歳頃から永久歯がそろう中学生まで行えば、むし歯を約半分に減らせます。

 家庭でもできますが、健康教育の一環として園や学校で行うと継続しやすく、より高い効果が期待できます。

Q.3 フッ素は劇薬だと聞きましたが、使用しても問題はありませんか?

A.3

   フッ化物洗口剤であるミラノールやオラブリスは医薬品医療機器法に基づき劇薬扱いとなりますが、これは取扱い上の注意を促す意味があり、歯科医師の処方に従い水に溶かせば濃度が1%以下となり普通薬となります。確立された用法や用途で行っている限り身体への(影響)の心配はありません。

Q.4 お茶にはフッ化物が多いと聞きました。お茶を利用してむし歯予防ができませんか。

A.4

 フッ化物洗口は、歯の表面に作用し、歯質を強くする予防方法なので、フッ化物(フッ素)の濃度が重要です。お茶には比較的多くのフッ化物(フッ素)が含まれていますが、フッ化物洗口剤よりも濃度が低いので、むし歯予防効果を十分に期待することができません。

Q.5 フッ化物洗口の効果は、どのくらいで現れますか?

A.5

 効果がはっきりと現れてくるのは、実施してから2~3年後です。特に、上の前歯では2~3年でほとんどむし歯が発生しないようになります。

Q.6 歯みがきや甘味制限などの基本となる努力をしないで、薬であるフッ素に安易に頼るのは正しいむし歯予防といえないのではないですか?

A.6

 むし歯予防のためには、

  1. 糖分を含む食品の摂取回数を少なくする(だらだら食べたり飲んだりしない)
  2. 歯みがきにより歯垢(プラーク)を取り除く
  3. フッ素利用により歯を強くする

ことが必要となります。

 これらは、むし歯に対する予防作用が異なり、いずれも大切ですので、ひとつに頼ることなく組み合わせて実施していくことがむし歯予防につながります。

 口の中から細菌や糖分を全てなくすことはできませんが、日頃から歯みがきや甘味制限によって、できるだけ良い環境を維持する努力は必要なことです。

Q.7 子どもが強くブクブクすることができません。それでも効果がありますか?

A.7

 フッ化物洗口は、歯の汚れを落とすために行うものではありませんので、強くブクブクする必要はありません。ゆっくり頬を膨らませ、軽くブクブクして歯面と口全体に洗口液をいきわたらせてください。フッ化物洗口をしている間と洗口が終わった後に口の中でフッ化物が作用し、むし歯予防効果を発揮します。

Q.8 洗口液を誤って飲み込んだ場合、どうしたらよいのでしょうか?

A.8

 フッ化物洗口液は、量的になんら問題はなく、たとえ誤って1人分全量飲み込んだ場合でも心配ありません。

たとえば、フッ化ナトリウム試薬を用いて、体重20kgの園児が週5回法でフッ化物洗口を実施している場合、フッ化物洗口液7ml中のフッ化物イオン量は1.58mg(ミラノール、オラブリスでは1.74mg)なので、一度に63人分以上(ミラノール、オラブリスでは57人分以上)飲み込まないかぎり急性中毒の心配はありません。

 また、体重30kgの児童が週1回法で実施している場合、一度に16人分以上飲み込まないかぎり急性中毒の心配はありません。

Q.9 フッ化物洗口をしてはいけない病気がありますか?

A.9

 ありません。適切にうがいが行われる限り、身体の弱い人や障がいをもっている人及び全身疾患をもっている人が特に影響を受けやすいということはありません。

 また、アレルギーの原因となることもなく、骨折、ガン、神経系及び遺伝系との関連も疫学調査で否定されています。

Q.10 フッ化物洗口で歯に色が着くことはありませんか?

A.10

 ありません。一般にフッ化物洗口液として用いられるフッ化ナトリウムの水溶液は、無色透明、無味無臭の溶液です。市販薬については若干薄い色、薄い味がついていますが、歯に色素が着色することはありません。たまに「フッ素を塗ったら歯が黒くなった」等の話を聞きますが、これは、乳歯の初期むし歯の「進行止め」として使われるフッ化ジアンミン銀(商品名サホライド)によるもので、フッ化物洗口液による着色ではありません。

Q.11 フッ化物は、本当に安全ですか?

A.11

 フッ化物は、自然の中に広く存在している物質で、私達の日常生活の中で飲食物と共に常に摂取しています。日頃、飲食物から摂取しているフッ化物の量は1~3mg程度とされており、フッ化物洗口で口に残る量は0.2mgと少量であることから安全です。

Q.12  フッ化物洗口の必要性があるならば、学校等の集団ではなく家庭の責任において自主的に実施すればよいのではないですか?

A.12

 保護者の責任で、個別実施で十分な成果が上がれば理想的ですが、現実には、各個人任せでは、その家庭による取組みに格差が生じるため、安定的・継続的に実施することが難しく、一番の問題であるむし歯多発児、重症児の問題も解決しません。

 また、学校は教育の場であるとともに、健康管理の場でもあります。実際、保護者の責任による個別実施では、十分な成果が期待できないのが現状です。同じ未来ある健全な子どもたちの健康に差が出てくることをどう考えるかだと思います。

 むし歯は他の疾患と違い、国民の大多数に認められ、、一度罹患すると自然治癒が望めないこと、さらにむし歯の発生時期は子どもの頃がほとんどであることから、永久歯のむし歯予防に最も効果のある保育所・幼稚園から小・中学校の間に、できるだけすべての子ども達に対して予防する機会を平等に設けることが必要です。

そのためには、教育的・組織的・環境的・経済的支援を有し、科学的にも証明されたむし歯予防である「集団でのフッ化物洗口」を保育・教育施設で導入し、子ども達に平等な効果をもたらすことが必要です。

Q.13 フッ化物洗口をやりたくない子どもや保護者に対しての配慮はどのようにしたらよいですか?

A.13

 フッ化物洗口は、あくまで個人の自由選択であり、実施しないことによる差別や偏見が絶対に生じないように、事前に十分な説明と、同意を得ることが必要です。

 また、どうしても実施したくない子どもに対しては、水で同じようにうがいをさせるなどの工夫や配慮が必要です。

 なお、フッ化物洗口の実施にあたっては、むし歯予防やフッ化物洗口の意義等についての教育も併せて行います。

Q.14 洗口液の保管はどうしたらよいですか?

A.14

 週1回法では、洗口液は原則として使用の都度1回分ずつ作るようにします。

週5回法でフッ化物洗口液を保管する時は、冷蔵庫等で保管します。特に夏は水がいたみやすいので、1週間以上保存することはさけましょう。

Q.15 フッ化物洗口を始めると、安心して歯磨き習慣などがおろそかになるのではないですか?

A.15

 フッ化物洗口を実施したことにより、自分の努力でむし歯を予防するという意識付けができる等の教育的効果が生まれ、むし歯の増加に影響する生活習慣の改善が期待できます。

 アンケート調査*1結果によると、「予防意識がでてきた」24.3%、「よく歯磨するようになった」21.6%、「就寝時間が規則的になった」9.5%と生活習慣の改善がみられ、逆に、「生活習慣が悪くなった」という結果は2.7%とわずかだったという結果がでており、質問にあるような心配はほとんどないといえます。

*1:荒川浩久ほか、神奈川県重度う蝕ハイリスク幼児事業におけるフッ化物応用について実施者に対するアンケート結果、神奈川県公衆衛生学会、43号,218,1997

Q.16 フッ化物洗口はいつしたらよいですか?

A.16

 むし歯予防効果を損なわないために、洗口後30分は、うがいや飲食を避けるようにします。このため、フッ化物洗口を実施する時間帯は、洗口後30分飲食を避けられれば、各々の施設の実情にあわせて選べます。

 保育所等ではほとんどが昼寝の前に実施しています。学校では、朝の会や授業と授業の間の休憩時間に実施した後、そのまま授業に入るところが多いようです。

Q.17 祝日、行事により実施できなかった場合は、どうしたらよいですか?

A.17

 夏休み等の長期休暇中は、学校等の施設でフッ化物洗口を実施できないのはやむを得ないでしょう。

 ただし、週1回法の場合は、春、夏、冬休みを除くと年間実施回数が40回程度ですから、実施回数が少しでも減ると予防効果に影響がでることから、祝日や行事により実施できなかった場合は、代替日を設ける等して実施するよう努めましょう。

 なお、春、夏、冬休みは一般に実施しません。保育所・幼稚園の週5回法の場合は、代替日は必要ありません。

Q.18 WHO(世界保健機関)は、就学前の子どもはフッ化物洗口をしてはいけないと言っているのですか?

A.18

 WHOは、フロリデーション(水道水のフッ化物濃度適正化)を実施しているような地域に対して言っており、フロリデーション未実施の日本に対して言っているのではありません。

 WHOの報告では、1日の総フッ素摂取量が過剰になるおそれから、6歳未満の子ども達にフッ化物洗口を用いるべきでないとの見解が示されています。これは、世界の多くの国々では、フロリデーションが実施されており、そのような地域では、幼児がフッ化物洗口液の全量を誤って飲み続けた場合、フッ素の摂りすぎになるため、注意が必要になることを記したものです。

 日本では、フロリデーションは実施されておらず、また、フッ化物洗口開始前に水で練習し、うがいができることを確認してから実施されているため、6歳未満(4、5歳児)の子どもにフッ化物洗口を行うことに問題はありません。

 また、日本口腔衛生学会等の専門団体は、我が国の実状に適したフッ化物応用方法として、就学前からのフッ化物洗口法を推奨していますし、WHOは、一貫してむし歯予防のためのフッ化物利用を推奨(勧告)しています。

歯周病予防

気付かぬうちに進行する歯周病

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 歯周病は、歯肉や歯を支えている骨などの組織におこる病気です、歯と歯肉の境目に歯垢(プラーク)や歯石がたまると、その中にいる歯周病菌が歯肉に炎症を引きおこします。さらに、そこにはさまざまな要因が加わると歯肉の出血や腫れが続き、歯を支える土台まで破壊され、歯がぐらぐらして痛くてかめなくなり、ついには歯が抜けてしまいます。

全身の病気とも関与している・・・

 糖尿病などの全身病気、喫煙などの嗜好や生活習慣病が歯周病をひきおこしたり、リスクファクター(危険因子)になっていることがわかっています。

 また、歯周病は心臓や肝臓に炎症をおこしたり、低体重出産をひきおこすなど、全身の健康にも悪影響を与えることがあります。

歯周病を予防しよう!

 40歳、50歳で8割を超えるという、多くの県民が歯周病にかかっています。早期から自分にあった歯磨き等セルフケアを実践し、かかりつけ歯科医院での健診や専門的口腔ケア(プロフェッショナルケア)を受ける等、歯の喪失予防に取り組んでいく必要があります。

歯周疾患検診結果

歯周病を予防するには!

  • 歯や口の状態にあった歯磨方法を身につけ、食後や寝る前には歯を磨きましょう。
  • バランスのとれた食生活をしましょう。
  • 定期的に歯石除去や歯科検診を受けましょう。
  • タバコは控えましょう。
  • かかりつけ歯科医をもちましょう。

自分にあった歯の磨き方を、かかりつけ歯科医や歯科衛生士に指導してもらいましょう!

歯の磨き方

※かかりつけ歯科医院をもち、定期的(1~6か月毎)に歯科検診を受けたり、専門的口腔ケア(プロフェッショナルケア)を受けることが大切です。

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