本文
平成26年人口動態調査の概要
第1章 人口
第2章 世帯
第3章 人口動態
1 人口動態総覧
2 出生
- (1) 平成26年は、本県の出生数は15,558人で前年より396人減少、出生率は8.7で0.2ポイントの減少
- (2) 昭和60年・平成7年と比較すると晩産化している
- (3) 本県の合計特殊出生率は1.64で、前年から0.01ポイントの減少
- (4) 出生場所は、99.7%が医療施設
- (5) 体重が2.5kg未満の出生児の割合は9.5%
3 死亡
- (1) 死亡数が、出生数を4,903人上回る
- (2) 平成26年の死亡数は、前年に比べ増加
- (3) 年齢調整死亡率は3.4(人口千対)
- (4) 年齢3区分別死亡率は、15~64歳のみ変わらず、他は減少
- (5) 死亡数が多い冬期
- (6) 全国より高い主な死因別の死亡率(人口10万対)
- (7) 平成26年の主な死因別死亡率は、悪性新生物、肝疾患、老衰、不慮の事故が増加
- (8) 不整脈及び伝導障害が1位
- (9) 脳内出血が増加、その他は横ばい又は減少
- (10) 悪性新生物による死亡数は男性が80歳~84歳、女性が85歳~89歳で最多
- (11) 昭和45年、昭和60年と比較すると心疾患、脳血管疾患は減少、悪性新生物は増加
- (12) 女は昨年に引き続き、気管・気管支・肺がんが大腸がんを上回る(部位別)
- (13) 医療機関での死亡が80.9%
- (14) 家庭での転倒や転落による死亡、高齢者は133人
- 第1表 死亡数・死亡率(人口千対)、保健所・年次別(Excelファイル:44KB)
- 第2表 死亡数・死亡率(人口千対)、年齢階級・年次別(Excelファイル:50KB)
- 第3表 死亡数、死因(年次推移分類)・年次別(Excelファイル:45KB)
- 第4表 死亡率(人口10万対)、死因(年次推移分類)・年次別(Excelファイル:66KB)
4 死産と乳児死亡
5 婚姻と離婚
6 平均寿命
調査の概要
調査の目的
我が国の人口動態事象を把握し、人口及び厚生労働行政施策の基礎資料を得ることを目的とする。
調査の対象及び客体
「戸籍法」及び「死産の届出に関する規程」により届け出られた出生、死亡、婚姻、離婚及び死産の全数を対象としているが、本概況では平成25年に日本において発生した日本人の事象を客体とした。
調査の期間
平成26年1月1日〜平成26年12月31日
調査の方法
市区町村長は、出生、死亡、婚姻、離婚及び死産の届書に基づいて人口動態調査票を作成する。
報告の系統
- 結果の集計 健康福祉政策課総務班において、厚生労働省大臣官房統計情報部から提供された本県分のデータを集計した。
用語等の説明
第1章 人口
(1)年少人口・生産年齢人口が減少し、老年人口のみ増加
本県の人口は、平成14年から減少傾向であり、前年より6,872人減少した。
人口の推移を年少人口(15歳未満)、生産年齢人口(15~64歳)、老年人口(65歳以上)の3区分別にみると、年少人口は昭和50年の61.8%にまで減少している。
平成26年は、年少人口が245,536人、生産年齢人口が1,046,000人、老年人口が503,087人であり、老年人口が年少人口を257,551人上回った。また、老年人口は昨年より13,732人増加し、昭和50年からの40年間で2.75倍となっている。
(資料)国勢調査実施年(S40~H7,H12,H17,H22)は総務省統計局「国勢調査」
その他の年は県統計調査課「熊本県推計人口調査」
(老年人口及び年少人口の総人口に占める割合の推移)
本県の老年人口(65歳以上)の全人口に占める割合は年々上昇し、平成26年には28.0%となった。(全国26.0%)
また、75歳以上の人口も本県15.2%、全国12.5%であり、2.7ポイントの差がある。本県は全国より早く高齢化が進んでいるのがわかる。
一方、年少人口(15歳未満)の割合は、わずかながら減少を続け、平成26年は前年と同じ13.7%(全国12.8%)となった。
資料) 総務省統計局「国勢調査」,「人口推計」 熊本県分は県統計調査課「熊本県の人口」
本県の年齢構造を人口ピラミッドの形態でみると、昭和30年は若い年齢ほど人口が多く裾野の広い「富士山型」であったが、平成26年は60歳代が男女共に最も多く、「つぼ型」に近い形となっている。
資料)総務庁統計局「昭和30年国勢調査」
資料)県統計調査課「熊本県推計人口調査」(平成26年)
(2) 3区分別人口割合は地域間でばらつき
二次保健医療圏別に3区分別人口割合をみると、老年人口(65歳以上)の割合が30%を超えているのは、熊本市以外の9保健医療圏である。一方で、菊池圏域は22.9%となっている。
市町村別にみると、老年人口割合が最も大きい五木村が46.1%、最も小さい菊陽町が18.4%となっている。
資料)県統計調査課「熊本県推計人口調査」(平成26年)
資料)県統計調査課「熊本県推計人口調査」(平成26年)
資料)県統計調査課「熊本県推計人口調査」(平成26年)
第2章 世帯
(1) 人口は減少し、世帯数は増加の傾向続く
本県の世帯数は、平成26年10月1日現在で710,300世帯である。
人口が前年比△0.38%であるのに対し、世帯数は前年比+0.72%となっている。
資料)国勢調査実施年(S40~H7,H12,H17,H22)は総務省統計局「国勢調査」
その他の年は県統計調査課「熊本県推計人口調査」
(2) 1世帯当たりの人員は2.53人
1世帯当たりの人員は、昭和45年は3.90人であったが、以後はほぼ減少傾向で平成26年は過去最低の2.53人となった。
資料)国勢調査実施年(S40~H7,H12,H17,H22)は総務省統計局「国勢調査」
その他の年は県統計調査課「熊本県推計人口調査」
第3章 人口動態
1 人口動態総覧
人口動態総覧(熊本県)
人口動態の年次推移(熊本県)
(資料) 厚生労働省「人口動態統計」
2 出生
(1) 平成26年は、本県の出生数15,558人で前年より396人減少、出生率は8.7で0.2ポイントの減少
出生数は、全国で100万3千539人で前年より26,277人減少した。本県は15,558人で前年より396人減少している。
出生率(人口千対)は全国8.0、本県8.7でどちらも昨年から0.2ポイントの減少である。
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
(2) 昭和60年・平成7年と比較すると晩産化している
出生率(人口千対)を母の年齢(5歳階級)別に前年比でみると、20~24歳が減少している他は微増である。
第1子の出生率を母の年齢(5歳階級)別に昭和60年、平成7年、平成26年で比較してみると、30歳代が特に増加傾向であり、晩産化がうかがえる。
(3) 本県の合計特殊出生率は1.64で、前年から0.01ポイントの減少
合計特殊出生率は、平成26年は全国は1.42、本県1.64で、全国・本県ともに0.01ポイントの増である。
(合計特殊出生率とはその年次の15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、1人の女性がその年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数に相当する。)
また、本県の出生順位別出生率は、平成26年は第2子が前年より0.2ポイント減少、第3・第4子が0.1ポイント増加、他は横ばいであった。
資料)厚生労働省「人口動態統計」
(4) 出生場所は、99.7%が医療施設
平成26年は病院・診療所・助産所の医療施設における出生が99.7%を占めており、自宅、その他での出生は0.3%である。平成以降その傾向が続いている。
資料)厚生労働省「人口動態統計」
(5) 体重が2.5kg未満の出生児の割合は9.5%
出生時体重別割合の年次推移をみると、体重が2.5kg未満の出生児の割合は前年より0.6ポイント増加し9.5%となった。
低体重児(2.5kg未満)の総出生児に対する割合を、母の年齢階級別に昭和60年・平成7年と比較すると、25歳以上では出産年齢の上昇とともに低体重児を出生する割合が高くなっている。
資料)厚生労働省「人口動態統計」
資料)厚生労働省「人口動態統計」
3 死亡
(1) 死亡数が、出生数を4,903人上回る
平成26年の本県の死亡数は20,461人、死亡率(人口千対)は11.5で前年より0.2ポイント増加した。また、全国の死亡率(人口千対)は10.1で、前年と同値。
資料)厚生労働省「人口動態統計」
(2) 平成26年の死亡数は、前年に比べ増加
本県の平成26年の死亡数は、前年より224人増加した。年齢階級別に前年と比較すると、65~69歳、85~89歳、90~94歳の年齢階級は増加しており、他は横ばいか減少している。
また、最も死亡数の多い階級は、85~89歳の4,444人、次いで多い階級は90~94歳の3,576人であり、この2階級をあわせると、全体死亡数20,461人の39%を占めている。
資料)厚生労働省「人口動態統計」
(3) 年齢調整死亡率は3.4(人口千対)
本県の平成26年の粗死亡率(人口千対)は、11.5で前年の11.3よりも0.2ポイント高く、昭和60年全国モデル人口を基準に人口構成を補正した平成26年の「年齢調整死亡率」は、前年より0.1ポイント減少し3.4であった。
※「年齢調整死亡率」の算出方法については、「用語等の説明」参照。
注)
1)年齢調整死亡率の基準人口は、昭和60年モデル人口である。
2)粗死亡率は、年齢調整死亡率と比較するために粗死亡率と表現したが、単に死亡率と呼んでいるものである。
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
(4) 年齢3区分別死亡率は、15~64歳のみ変わらず、他は減少
死亡率(人口千対)の年次推移を年齢階級3区分別にみると、平成26年は15~64歳が2.0で前年と同値、0~14歳が0.2で前年より0.1ポイントの減、65歳以上が36.6で0.3ポイントの減であった。
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
(5) 死亡数が多い冬期
死亡数を月別にみると、寒くなる12月から1月にかけて増加している。
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
(6) 全国より高い主な死因別の死亡率(人口10万対)
平成26年の主な死因別の死亡率(人口10万対)を全国値と比較すると、主な死因では肝疾患、自殺を除き本県の方が高くなっている。
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
注)粗死亡率は年齢調整死亡率と比較するために粗死亡率と表現したが、単に死亡率とよんでいるものである。
注)年齢調整死亡率は、昭和60年全国モデル人口を基準とした。
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
(7) 平成26年の主な死因別死亡率は、悪性新生物、肝疾患、老衰、不慮の事故が増加
平成26年の本県の主な死因別死亡についてみると、悪性新生物の死亡数が5,499人で、死亡率(人口10万対)は308.1であり、死亡総数の26.9%を占めて死因順位の第1位となっている。第2位は心疾患、第3位は肺炎だった。
なお、平成7年の死因別死亡率の急激な変化は、平成7年に行われた死因分類及び死亡診断書の改正の影響によるものと考えられる。
注) 平成7年から疾病分類が変更されたため、「肝疾患」は平成6年までは「慢性肝炎・肝硬変」
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
(8) 不整脈及び伝導障害が1位
本県の心疾患の種類別死亡率の年次推移をみると、平成26年は不整脈及び伝導障害が増加し、初めて心不全を上回った。また、急性心筋梗塞についても昨年から増加した。
なお、平成7年の死因別死亡率の急激な変化は、平成7年に行われた死因分類及び死亡診断書の改正の影響によるものと考えられる。
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
(9) 脳内出血が増加、その他は横ばい又は減少
本県の脳血管疾患の種類別死亡率の年次推移をみると、平成26年は脳内出血が増加し、その他は横ばい又は減少している。
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
(10) 悪性新生物による死亡数は男性が80歳~84歳、女性が85歳~89歳で最多
本県の平成26年の死亡数を主な死因別でみると、全体では男女とも1位悪性新生物、2位心疾患であるが、年齢階級別でみると、その構成は階級毎に大きく異なる。
また、39歳以下においては、男性の死因の最多は自殺の53人、次いで不慮の事故の28人、女性の死因の最多は悪性新生物の31人、次いで自殺が15人であった。
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
(11) 昭和45年、昭和60年と比較すると心疾患、脳血管疾患は減少、悪性新生物は増加
3大死因の年齢階級別死亡率(人口10万対)を年次別(昭和45年、昭和60年、平成26年)にみると、平成26年の悪性新生物は男女とも85歳以上で大幅に上昇している。
心疾患、脳血管疾患は年次別にみると、各年齢層とも大幅に低下している。
なお、心疾患の減少については、死因分類及び死亡診断書の改正の影響によるところが大きいと考えられる。
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
(12) 女は昨年に引き続き、気管・気管支・肺がんが大腸がんを上回る(部位別)
本県の悪性新生物の部位別の死亡数を年次推移でみると、近年、男は気管・気管支・肺がんが最多である。女は気管・気管支・肺、大腸が上位を占めており、平成25年に引き続き気管・気管支・肺が大腸を上回った。
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
(13) 医療機関での死亡が80.9%
死亡の場所別死亡割合の年次推移をみると、「病院」における死亡は、平成26年は76.1%で前年から0.1ポイント増加し、逆に「自宅」における死亡は前年より0.4ポイント下がって9.3%となった。
また、平成26年の「老人保健施設」における死亡は2.2%で前年より0.1ポイント増加、平成7年から死亡場所の分類に追加された「老人ホーム」は5.9%で、前年より0.6ポイント増加するなど、ともに過去最高となった。
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
(14) 家庭での転倒や転落による死亡、高齢者は133人
家庭での不慮の事故による65歳以上の死亡数を事故の種類別にみると、平成26年は転倒・転落によるものが133人、食物の誤嚥によるものが91人、浴槽内での溺死・溺水が54人であった。
4 死産と乳児死亡
(1) 本県の死産率は、前年より3.2ポイント増加
平成26年の全国の死産率は22.9で、前回と同値。本県は28.6で、前回より3.2ポイント増加している。
自然死産率(出産千対)は、全国10.6で0.2ポイント増加した。本県は11.6であり、前回より1.8ポイント増加した。
また、人工死産率(出産千対)は、全国12.3、本県17.0で、全国は0.2ポイントの減少、本県は1.4ポイント増加した。
母の年齢階級別に死産割合をみると、自然死産では30歳~34歳、人工死産では20歳~24歳が最多となっている。
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
(2) 本県の乳児死亡率・新生児死亡率は共に減少
平成26年の本県の乳児死亡数は25人、また、新生児死亡数は10人で、乳児死亡数は16人減少し新生児死亡数は8人の減少であった。乳児死亡率は、全国は2.1で前年と同値、本県は1.6で前年より1ポイント減少した。また、新生児死亡率は、全国は0.9で前年より0.1ポイント減少、本県は0.6で前年より0.5ポイント減少した。
本県の乳児死亡数を死因別にみると、「先天奇形、変形及び染色体異常」が15人で最多であり、ついで「周産期に発生した病態」が4人であった。
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
(3) 周産期死亡数は減少
本県の平成26年の周産期死亡数は44人(妊娠満22週以後の死産数36人、早期新生児死亡数8人)であり、周産期死亡率は2.8で前年より0.1ポイント減少し、全国より0.9ポイント低い値であった。
出産前後の死亡は、母体の健康状態に強く影響されやすいことから、出生をめぐる死亡として周産期死亡を観察している。平成6年までは、「妊娠第28週以後の死産と生後1週未満の早期新生児死亡を合わせたもの」を周産期死亡とし、通常出生千対の率で算出していたが、平成7年からICD-10を適用したことに伴い、周産期死亡を「妊娠満22週以後の死産数に早期新生児死亡数を加えたもの」とし、周産期死亡率の算出の分母を「出生数+妊娠満22週以後の死産数」にすることとなった。
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
5 婚姻と離婚
(1) 婚姻率は前年より0.1ポイント減少し4.9
本県の平成26年の婚姻率(人口千対)は4.9(8,714組)であり、前年より0.1ポイント減少した。全国は前年より0.2減少し、5.1であった。
年齢階級別の初婚率(結婚生活に入ったその年に届出をしたもので初婚のみ)の年次比較をみると、男女とも20歳台が減少し、男は35歳以上が、女は30歳台以上が増加傾向である。
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
(2) 離婚率は前年より0.12ポイント減少し1.74
本県の平成26年の離婚件数は3,105組で、前年の3,333組より228組減少した。離婚率(人口千対)は1.74であり、全国の離婚率1.77を0.03ポイント下回った。
離婚件数を同居期間別にみると、平成26年は同居期間が1~5年未満での離婚件数が全体の25.1%を占めている。
資料) 厚生労働省「人口動態統計」
6 平均寿命
(1)全国の平均寿命は、男80.50年、女86.83年
平成26年簡易生命表によると、全国の男の平均寿命は80.50年、女の平均寿命は86.83年と前年と比較して男は0.29年上回り、女は0.22年上回った。
男女の平均寿命の差は6.33年で前年より0.22年減少した。
平成22年完全生命表によると、熊本県の男の平均寿命は80.29年で全国4位、女の平均寿命は86.98年で全国4位であった。
資料)全国:H17まで及びH22は完全生命表、その他は簡易生命表(厚生労働省)
県:都道府県別生命表(厚生労働省)