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令和6年7月12日(金曜日)11時45分~
日時:令和6年(2024年)7月12日(金曜日) 11時45分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
発表項目・コメント
・水俣病関係団体との再懇談等について
・本件の新型コロナウイルスの感染状況について
・令和6年度有害赤潮による漁業被害への対応について
・渋滞解消推進本部の取組みについて
・「くまモン15周年記念ロゴ」発表について
・くまモン新イラストの発表について
・くまモン”日本の応援団長”について
質疑応答
・水俣病関係団体との再懇談等について1
・渋滞解消推進本部の取組みについて1
・水俣病関係団体との再懇談等について2
・教職員の懲戒処分について
・渋滞解消推進本部の取組みについて2
・水俣病関係団体との再懇談等について3
・PRTR法(化学物質管理促進法)に基づくSONYの届出の誤りについて
・令和6年度有害赤潮による漁業被害について
・水俣病関係団体との再懇談等について4
・阿蘇中央高校の定員割れについて
・渋滞解消推進本部の取組みについて3
・水俣病関係団体との再懇談等について5
・テレワーク・在宅勤務の推進について
・水俣病関係団体との再懇談等について6
水俣病関係団体との再懇談について、振り返らせていただきたいと思います。
今週7月8日、10日、11日、昨日まで計3日間、水俣病関係団体と環境大臣の再懇談に私も同席いたしました。3日間かけて、しっかりと時間を確保して、関係団体の皆様とお話、意見交換をすることができました。
当事者の生の声を聞く重要性を改めて認識いたしましたし、今回の再懇談は、5月1日の水俣病犠牲者慰霊式の後の環境省主催の意見交換会における環境省の対応の誤りからではありますが、その時の私自身の対応が、県民を代表する知事として不十分だった。その反省の意味も込めて、今回しっかりと再懇談に臨ませていただきました。
12年前に初めて熊本に来て、これまで本当に多くの県民の皆様と接して参りましたが、今回改めて患者・被害者の方々と直接お話をする中で、今でも手が震え、体がこわばるなど、様々な個別の悩み、苦しみを抱えていらっしゃる実情をしっかりとこの目に焼き付け、これからしっかり対応していこうという思いを新たにいたしました。
個々の患者・被害者の皆様の、まだまだ続く厳しい状況に、国と連携してしっかり取り組んでいく、そして国や地元自治体とも連携して、しっかり向き合い取り組んでいこうという決意を新たにしたところでございます。
今回の再懇談はこれで終わりということではなく、特に、まずは実務的なレベルでの対話を加速させて、一歩でも前進していくような具体的なものにつなげていきたいと思っております。
そうした中で、水俣病被害者・支援者連絡会からは県との個別の懇談の要請がありまして、団体と調整しましたところ、8月4日の午後に開催することになっております。
8月4日の県との独自の懇談は、この支援者連絡会の方から5月1日に県への要望をいただきましたが、今回の再懇談では国が返すということで、県はまた別途ということでございましたので、その回答や今回の大臣との再懇談を踏まえて、追加の要望があれば、それを踏まえた意見交換をしたいと考えております。詳細はまた、決定次第お知らせします。
続きまして、私が今日マスクをつけて来ているのを見て、あっと思われたかと思いますが、今、非常に新型コロナウイルス感染症が県内で拡大傾向にありますので、そのことのご報告です。
皆さんご承知のとおり、令和5年の5月8日から、いわゆる5類感染症ということで、全数調査ではなくて県内80か所の医療機関、いわゆる定点医療機関というところでのデータを基に分析していく、一定数調査していくことになりましたが、今回、先週の一定点あたりの感染者数が18.242ということで、グラフを見てのとおり、第5類に移行後3回目の山にむけて増加傾向にあります。
全国に比べてもかなり熊本は高いですけれども、九州全体が増加傾向にあります。明日から3連休に入り、また夏休み、お盆が近づきますので県民の皆様、人と出会う機会によって感染が拡大する恐れがあります。
県民の皆様には改めて基本的な感染対策の徹底をお願いしたいと思います。エアコンがついていても定期的な換気をしてください。手洗いや手指の消毒、そしてうがいをしてください。また、記者の方も大勢おられて、音声の関係上(扉や窓を)閉めていますので、私は今マスクを付けています。いつも付けるというというわけではなくて、医療機関を受診する時ですとか、高齢者施設などを訪問する時、混雑した電車・バスなどに乗る時は、マスクを付けるなど、ご自身や周りの大切な方を守るために、県民お一人おひとりが自ら感染しない、感染させないを意識した行動をお願いしたいと思っております。
発表項目一点目、有害赤潮による漁業被害への対応ということで、現在八代海において4種類の有害赤潮の警報が発令されています。
特にこの中のシャットネラ属を中心にいま広範囲で被害が拡大しています。
養殖漁業の関係の皆様には、海の色の変化とか養殖業の状況に十分注意するとともに、餌止めとか赤潮駆除剤の撒布などをお願いしていますが、被害は厳しく、今日現在、48万7千尾、被害9億7千万円という状況で日々広がっております。
今のところ(被害は)カンパチ、シマアジなど、ブリ、トラフグ、青物類が中心ですけれども、正確にいうとカンパチ、シマアジ、ブリが青物ですけれど、これらのへい死が発生しています。
7月6日に先週土曜日に、天草市の栖本にあります海水養殖漁協の事業所で、私もへい死魚の処理を視察いたしました。そして、ご説明をいただき、水研センターで意見交換をさせていただきました。
漁協の皆さん、漁業者の皆さんからは、4年連続の赤潮被害で「またか」という気持ち、そしてまた、へい死魚の処理を進めるなかで、「できるだけの負担軽減を」という要請、要望、ご意見をいただきました。
これを受けまして、早急な対応が必要な3項目について、今日、この記者会見の発表を受けて、実施したいと思っています。
3種類です。一つは金融支援。被害を受けた事業者の方が当座の運転資金にかかる融資を受けられた場合のいわゆる利子補給でございます。
そして、もう一つが先ほど、私が様子を見ている処理の様子を見ている写真を載せましたが、へい死魚の処理に対する支援。
そして、赤潮駆除剤を購入する際に対する支援ということで、この3項目予算約1,500万円分につきまして、予備費と規定予算を活用して、正確に申し上げると一番上は規定予算の枠内を活用します。2、3については予備費を活用して支援策を講じて参ります。
今後とも、漁業者の皆様の意見を聞き、また、市町村と関係市町と連携しながら対応を検討していきますし、長崎県・鹿児島県と連携して国への抜本的な対策を要望してまいりたいと考えております。
前から申し上げていました、熊本市長とのトップ会談について、7月18日に行いたいと思っております。
やはり、熊本都市圏の渋滞の解消に向けては、県の対策のみでは十分ではございません。
やはり、熊本市や周辺市町村と連携しながらということで、まずは熊本市の大西市長と腹を割った話し合いをしておきたいと思っております。渋滞解消の課題とか取り組みの方向性について忌憚のない意見交換をしてまいりたいと思います。
くまモンの活動3つご紹介いたします。
くまモンがデビューして来年の3月で15周年になります。
まずは以前にも皆さんへお知らせいたしましたが15周年記念ロゴを発表いたします。
今回、なんと674点の応募をいただきました。
5年前の10周年記念時のロゴは325点だったので倍以上の応募がありまして、その中でインターネットなどによるファンの投票、また皆さんもご存知の生みの親の一人であられる小山薫堂さんなどの審査員による最終審査の結果、東京都在住のデザイナーCOMO(こも)さんの作品を最優秀賞といたしました。
くまモンのアクティブなポーズ、そしてこの15周年をすごく立体的に表したところ、元気なところが伝わるということが最優秀賞になりました。また、特別賞として、台湾の高雄市在住のデザイナーであります陳吉偉(ちんきちい)さんの作品を特別賞に認定いたしました。
これは15周年を祝福する中で日本の伝統である水引きをイメージして、15というのを表現した、これもいいなということで特別賞にいたしました。
この2つのロゴにつきまして、本日から再来年の3月までの期間限定で利用を進めて来年の15周年記念イヤーを熊本と一緒に盛り上げていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
二点目は、くまモンの新イラストを追加いたしました。
イラストは、皆さんご承知のとおり楽市楽座方式で、申請をいただければ無料でご利用いただくことができ、これまでの許諾件数は4万2000件を超えています。今回新たに25種類のイラストを追加いたしました。
これもまた、くまモンの生みの親のデザイナー水野学さんに作っていただきました。
干支のコスチュームですとか、音楽を聴いたり、筋トレなど、アクティブな新しいくまモンの魅力を表現したものを追加しております。
これらにつきましても、本日から利用申請の受付を開始いたしますので、ぜひ皆さん素敵な新イラストをお使いください。
さてくまモンどう思う?
(くまモン)「たいぎゃよかロゴとイラストば作ってもろって嬉しかモーン!みなさんたくさん使ってはいよ~☆。」
皆さんたくさん使ってはいよということですので、ぜひ利用申請をお願いいたします。
オリンピックが26日から始まります。そして8月28日からはパラリンピックも開催されます。
3年前の東京オリンピックでは、あの村上宗隆選手のホームランなどとても盛り上がり、県民に感動を与えてくれました。
今回、この日本中がオリンピック、パラリンピックで盛り上がるタイミングで、くまモンもアスリートですとかスタッフ、そして応援している皆さんなどの頑張っている全ての人たちを応援するために勝手に日本の応援団長を宣言いたします。
具体的に何をするのかといえば、パブリックビューイングや選手出身校で行うイベントに、くまモンが出向き一生懸命応援して参りますので、パブリックビューイング会場などを募集しております。
本日からくまモンの公式ホームページ、くまモンランドで申請できますので、どうぞ皆さん、アスリートの皆さんはもちろん、アスリートを応援している熊本県民の皆さん、ぜひくまモンにお声をかけてください。
さあ、じゃあくまモンからひと言、意気込みをどうぞ。
(くまモン)「がんばっているみなさんにエールば送るモン!エイエイモーン!」
ということで、くまモンが全力で応援していきますよということでございました。
では、くまモンありがとうございます。
幹事社
冒頭コメントありました、水俣の県との懇談についてなんですけれども、8月4日午後に実施ということですけれども、昨日までの3日間の懇談を踏まえてですね、改めて知事としてどういう懇談にしたいかという思いをお願いします。
木村知事
この8月4日の県単独の懇談につきましては、水俣病被害者・支援者連絡会は、この今回の3日間でいきますと、初日にお会いした6つの団体というふうにご理解いただければと思うんですが、そちらの団体のほうからですね、是非ちょっと県とは別にやりたいと、また意見交換をしたいということでありましたので、5月1日の要望への回答や、今週の8日のですね、懇談を踏まえたところでの、何か追加の意見交換があればと思っています。
ただなかなか県単独で出来ることっていうのもいろいろありますので、場合によっては環境省に同席してもらったりということも考えながらやっていきたいと思っております。しっかりと、県としても団体の皆さん(の御意見を)お伺いする。(国との懇談では、)どうしても回答が大臣に答えてっていうのが多くありましたので、私から答えられることはしっかりとお答えして参りたいと思っております。
幹事社
私の方からは、この発表項目にある渋滞解消推進本部のトップ会談に関してお伺いしたいんですけれども、1か月ぐらい前の推進対策本部会議の時にも知事は冒頭、トップ会談をしてこの渋滞の問題にメスを入れる、というお考えを示していらっしゃいましたが、今回ついにトップ会談ということで、忌憚のない意見交換を実施というふうに書いていらっしゃいますけど、今の時点で木村知事が例えばこういう提案を投げかけたりとかこういう思いを聞かれたりとか何か具体的なところがあれば一つ二つお伺いしたい。
木村知事
はい、要はまだ本当は実はこのやる時期を一刻でも早くということで議会との関係でこの時期になったんですが、私からは例えば渋滞の増えた箇所、減った箇所を見ながら、そういうデータがもし当日まで間に合えば、やっぱり熊本市の中でどこを重点的にやっていくかとか、例えば国道であっても市の管理の部分がありますので、国道とか県道であっても、そういうところにやっぱり市も認識を持ってもらうということ。あとそれぞれが県が今何してるかということをお示しした中で、例えば菊陽の界隈でやっていること、いわゆる信号の制御のあり方とかですね、そういうことをお見せしながら、熊本市としてもどういうことができるかということを聞いていきたいと思っています。
大西さんは大西さんで、市長もいろいろ申し上げたいことがあろうかと思うんです。まずちょっと忌憚なき意見交換ということで、具体策を一度に突きつけるということよりも、現状の共有というところがメインになっていくと思います。
そしてまた、それを踏まえて、県市で対策を練って、ある程度の段階で、県議会の方でも年内に方向性を示すと答弁させていただきましたけれども、それにつながるように、ちょっとステップを踏んでいきたいと思っております。
Q
水俣病の再懇談についてお伺いします。当日の囲み等で発言されてたら申し訳ないんですが、国の回答について、団体側のゼロ回答の声が上がっていましたけれども、要望書に国が示した回答について知事の分析であったり評価であったり、何か言えることがあればよろしくお願いします。
木村知事
要望の中も様々な要望が入っておりまして、その中でも多分ゼロと言われるのは、いわゆる認定基準のところだと思います。しかし、それはもう致し方ないと私は思ってます。なぜなら今、私どもは行政府として、法律に基づいてこれまで執行してきたものについて、裁判、最高裁等でも認められた枠組みでやってきているので、団体の方々が「それは違う」と言うのであれば、それは今も裁判係争中ですので、団体の皆さんからそう(いうご意見が出るのだ)と思います。
ただ、それぞれの要望の中では、環境省もですね、実現に向けて、検討してみたいと。また、もうちょっと具体的に申し上げると、私も「おっ」と思ったのは、例えば昨日、環境大臣が、一部の手当などについてですね、来年度の概算要求、この8月末で締め切るんですけれども、それに向けて検討したいということを言われましたので、新しいことが、それについて、非常に評価をする意見も団体の方からありましたので、全部が全部ゼロというわけではないと思っております。
Q
今回の発表などとは、ちょっと別なんですが、教育庁の発表で、教職員の懲戒処分が昨日も出ていますので、今年度に入って4件、処分という状態になっているんですけれども、教育庁管轄とは、十分承知なんですけれども、知事としても、所感をお持ちいただけますか。
木村知事
はい。いつでしたか、今回の懲戒の前の時に、たぶん教育長は危機的な状況だというご見解を述べられたと思います。私もそのとおりだと思っています。
今回の昨日の事案もかなり重たい、というか、あってはならない事案があったと思っています。県教育委員会でしっかりと危機感をもって、綱紀粛正に努めていくことを私どもも、県知事としても期待しております。
Q
特に酒気帯びで逮捕というところで、停職6か月という処分がありましたけれども、これについては、知事はどうお考えですか。
木村知事
停職6か月というのは相当重い判断をされたと思っています。
しっかりと反省していただくというか、綱紀粛正をしていただくということを期待しています。ただ免職にならなかったというところは、それぞれの最近の判例とか、不服審査とかの事例を踏まえての判断かなとは思っていますが、そこは教育委員会で判断されるものと思っています。
Q
知事のマニフェストで、世界に通じる質の高い教育を実現というものをあげられていたと思いますけれども、改めてこういった状況というのは、県の先生たちを取り巻く状況というのは、知事としては気持ちとしては質を高めていくには、どのようにしたらほうがいうお話があれば。
木村知事
はい。それぞれの学校現場において、私も妻が私立の学校で教員をやっていますから、非常にたぶん、いろいろ学校の先生方が大変忙しかったり、厳しい状況にあるというのを私なりには思っています。ですので、先生方が働きやすい職場を作っていくために、教育委員会いろいろ考えておられると思いますが、私、県知事としても、そうした教員の働き方改革などの動きをしっかり進めて、学校の先生がしっかりと児童生徒に向き合える体制の整備に応援をして参りたいと思います。
Q
渋滞解消のトップ会談に関してなんですけれども、今後のトップ会談は、今後も定期的に市長とやるお考えがあるのかというところと、他市町村のトップともやる考えがあるのか、それと道路公社、つまり知事がマニフェストに掲げている道路公社も、この会談のなかで話し合われるでしょうかということをお願いします。
木村知事
はい、まず一点目の熊本市長のトップ会談は、これからも頻繁にやっていきたいと思っています。まずキックオフとして、今回お互いの思いを言い合うという感じで始めたいと思っています。また、県市連携会議というのも別途ありますので、そうした場面はオーソライズにもっと何か政策を決めていく場としても活用していきたいと思っています。他の市町村とは当然やっていきます。そうでないと意味がありません。ただまずもって、ちょっと多くの部分が熊本市と絡みますので、熊本市から始めたということでございます。
あと三点目なんですけれども、道路公社については、私もマニフェストのなかには、仮称道路公社といういい方をしておりますが、もし福岡とか北九州のようなやり方であれば、県としてそういう公社を作って都市高速を作っていくということが、一つの定番としてあり得るかと思いますけれども、一方で高速道路はNEXCOさんが所管しているところも一部あったりしますので、国とも含めたところでどういうかたちの運営形態がいいのかというのは、まずもって都市高速を推進していくというところで、熊本市さんと、または周辺市町村さんと合意のうえで進めていかなければいけませんので、運営主体とかを誰がどうしていくかというのは、まだまだ先の議論だと思っています。ただ話題には当然していくことになろうかと思います。
Q
1点目が水俣病の再懇談の話で、被害者・支援者連絡会の要求書ですね、先ほど知事もおっしゃったように、なかなか県単独で答えるのは難しいかと思うんですけれども、そこの内容のとこにもですね、要望書への回答とありますけど、県としてはどういった項目でコミットというか、回答が出来るのかというところを1点お話いただきたい。
木村知事
やっぱり回答というのは、団体にまず(お答えするものであり)、記者会見の場で先に回答するものではないと思いますので、県として出来うることをやはり述べていくことになろうかと思います。すみません。
Q
でも、要望一個一個に対して県としての回答をしていくっていう可能性もあるんですか。
木村知事
はい。県に対する質問であればですね、意外にちょっと団体の皆さんも、ちょっと連絡会のやつをもう1回読まなければいけないんですけど、県と市と、県と国とぐちゃぐちゃっとした形で要望が入ってる場合もありますんで、県が答えるべきところはしっかり誠意を持ってお答えしたいと思います。
Q
あともう一点が今回の発表外なんですけれども、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング、2021年からは2年間フッ化水素の処分の量をゼロといった報告、実際は排出していたというところがありました。知事としても、水に関しての思い入れというのは強いかと思いますけれども、今回の受け止めと、いわゆる県としてチェックできていなかったというところ、そこに関する受け止めと対策について考えられていらっしゃるなら教えてください。
木村知事
はい、今回については大変残念なことだと思っています。
ただ、一応担当者の弁護をしてあげるとすれば、ソニーから県にデータが来て、それを国に報告をして、国と協議をしている中で、いきなりゼロになるのはなんですかといって一回返ってきて、それでもう一回ソニーに聞いて、いやゼロですと言って返ってきてという一応のチェックはしているのですね。
そうした中でのものだと思いますけれども、もう一度、そういう急激に数字が変化したときに徹底して確認をする、または対応する、ソニーさんがそう答えたとしても、本当にそれが内部でしっかり調査したのかとか、そういうところの今一度ちゃんと報告してもらうということでの注意喚起をしっかりするとともに、県の方でもそういう県側のチェックミスということには、私はそれなりにチェックしたとは認識しているのですけれども、あくまでもソニー側がもうないと言い張っていたということなので、当時ですね。それはそうなのですけれども、そういうときでもさらに、ソニー側または県側でも複数の担当者でチェックするとか、そういうことはしていくべきではないかと思っています。
なにぶん2年前のことではあるにせよ、やはり今特に認識、皆さんの県民の意識が、2年前と違って高くなっていますので、慎重に丁寧に取り扱っていくように指示をしたところでございます。
Q
まず赤潮の件なんですけれども、今回早急に支援が必要なところについて1,500万円ほどの支援とありましたが、今後も被害というのは拡大をしていくのではないかと思うんですが、被害の拡大とか要望については、これ以上の支援というのも引き続き検討されていくという理解でよろしいでしょうか。
木村知事
それはそのとおりでございます。これ以上被害が拡大しないことを祈りますけれども、この対策で予算が足りない場合の追加、またはもうちょっと被害の実態が見えていくなかでの別の対策での支援、いろいろ考えていきたいと思います。その場合には9月議会、またはそういういろんなかたちで議会と相談しながら決めていくことになろうかと思います。
Q
水俣の再懇談の件についてちょっと確認です。当時5月1日の懇談のときの知事の対応について、当時5月の記者会見のときには、出来る対応はやったっていうようなお話をいただいたと思います。ただ、今日の御発言だと、やっぱり不十分だった部分もあるというお話になって。この、いわゆる心境の変化というか、ちょっとこの表現が変わったタイミングだったり理由について教えてください。
木村知事
はい。5月1日は、これも会見とかでも重ねて申し上げましたけれども、やはり私は聞く姿勢に徹するということで、その日いました。環境省と団体間で、いわゆるマイク切りが起きたときもですね、そこで担当の室長に対して私が何か申し上げるべきだ、もっと強くですね、言ってあげるべきだったというのは、むしろ実務的にしっかりまずいと言おうということで、当時私も知ってる、さらに彼よりも上の立場にいる課長さんに、ちょっともうこれではまずいよと言ったということで、自分としてはやれることをやったつもりではいたんですけれども、やはり県民の皆さんから、そしてまた団体の方からも、やっぱり県民を代表する知事として、あの場で一言、やっぱり環境省に物申して欲しかったという声を多くいただきまして、自分なりにもやはり反省すべき点があったというふうに至ったということでございます。
Q
ありがとうございます。最後にもう一点だけ、教育委員会のお話にはなるんですけれども、阿蘇中央高校が今年度の定員が、普通科でいくと4分の1ほどしか入学しないという深刻な定員割れ状況となっていました。それを踏まえて県教委のほうでは新しい学科の新設というのも来年度考えられているということなんですけれども、こういった特に地方というか、県立高校の魅力化というところについては知事としてどうお考えでしょうか。
木村知事
これはもう喫緊の課題だと思っています。どう考えても子どもの数がどんどん減っていくなかで、今の定員定数を維持していくことは無理です。各学校がそれぞれの魅力を最大化していくのが今求められているということで、今年度いっぱいをかけてかなり教育委員会が各学校の魅力化というのを集中的に取り組む期間にしているというふうに聞いております。ですので、やはりぜひ高森高校のマンガ学科まではいかないにせよ、天草工業のCG系列だったり、いろいろな魅力の出し方があろうかと思いますので、ぜひ魅力向上に期待したいと思いますし、知事部局としても積極的に応援していきたいと思います。
やはりお出かけ知事室とか行くとそういうご意見も出てきますので、先日上天草に行ったとき、やはり上天草高校の今後について高校1年生が提案するというような状況でございますので、ぜひそういう声を受けて、より高校の魅力化に県としてしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
Q
大西市長とのトップ会談の件でお伺いしたいんですけれども、この定例会見でも何度か伺ってますが、熊本市のほうでは交通のIC系の決済の廃止の件でいろいろと話が出ています。今回のこのトップ会談においてもそういったIC系のことについても何か話される考えはありますでしょうか。
木村知事
はい、渋滞解消に対する公共交通の利用促進のなかでのIC系、話題にはのぼる可能性はあると思いますし、話題にのぼることを否定するものではないと思います。たぶん大西さんから何か相談ごとがあればそれは議論したいと思います。
Q
再懇談についてお尋ねします。
再懇談の中で、環境省が2年以内の健康調査の実施を表明しました。ただ一方で、環境省の健康調査の手法、脳磁計・MRIを用いた手法などは、被害者側は求めていないところです。知事は日頃から納得性の高い調査というところをお話されていますけども、今ここにもちょっと御発言ありましたが、これがどういうものなのか、また、環境省の脳磁計・MRIの調査手法をどう評価していらっしゃるか、場合によっては県からの提案などもあるんでしょうか、お考えをお聞かせください。
木村知事
はい。脳磁計・MRIについては、私が言うその納得性の高い調査の、納得性の1つの中にある、科学性とか客観性とか、そういうところを環境省なりに研究してきたものなのだと思っておりますので、それを否定するものではございません。ただ、今後その実際の調査をやるにあたっては、その手法だけでいいのかどうかというのも含めて、環境省にはしっかり考えていただきたいと思いますし、県としても法律に乗っ取って、しっかりと協力をさせていただきたいと思います。
Q
そんな中で、場合によっては実務者協議とかの中で、患者、被害者などのお話を聞いた上で、プラスアルファでやる必要があるという判断をした場合、県としても提案していくというようなご発言があったと思うんですけれども、そういった考えは、確認ですけども、あったりするんでしょうか。
木村知事
はい。そういう、例えば意見が出てきて、環境省がどう反応するかによりけりですけれども、やはり県として国がやる調査に協力する義務が私たちにはありますし、何て言うんですかね、より納得性の高いものを求めていくことはこれも事実ですので、そうした中で、何か併せて県はこういうことをやるべきではないかとかいう話になってきたら、それはどういうものがいいのかは国と相談していきたいと思います。
ちょっとこれは何かっていうのはまだ全く私も分かっていない状況ですので、そこはしっかり、これからの話だと2年後にはやると環境省が言ってますので、それに向けて協力することをしっかりやっていきます。
Q
ちょっと話題が変わるんですが、テレワークとかリモートワークとか、在宅の活用について知事の基本的な考えをお伝えいただきたいんですけれども、というのもかなり部局によって取り組みには差があるように私としては感じているのと、まだ強化の余地があるんじゃないかなということと、県が率先して取り組むことがあれば渋滞解消とかにもつながっていくんじゃないかなというふうにも思いますし、感染対策にももちろんなると思うので今後の考えはいかがでしょうか。
木村知事
はい、まずテレワークは私は推奨する立場でございます。
それぞれの働き方改革にもつながりますし、家に帰って仕事をするために使われるっていう隠れ残業みたいになるのは避けなければいけないと思いますけれども、やはり今回の今の先ほどのコロナが拡大して、これ実は県庁内相当今広がっています。
実数は抑えてないですけれども、そういうのが明らかに私も感じられる中でぜひ家ででき得る仕事と継続性を保つためにもということでやっていきたいと思っています。
ただそのためにいろいろな家でもできるタブレットとかそういうのがあったりなかったりということなので、県としてはそういうことを推奨していきたいと思っています。
ただ民間企業さんの取り組みはコロナの時にかなり進んだと思いますけれども、そういうのを応援していくために何をすればいいかというのは今後、ちょっとしばらく今検討は止まっていると思いますので、今回はちょっとコロナの波を受けて、テレワークをまず県庁内で推進していくための課題を今一度洗い出したいと思います。
Q
水俣病の再懇談のことについて、いくつか確認したいんですけど。
まず1点目が、再懇談ですね。環境省との再懇談は、発言時間や参加人数が無制限で、あと司会が水俣病被害者側にあったんですけど、県の再懇談も同様に進行するつもりでしょうかというのが1点と、あともう1点が、被害者団体側から地元自治体、水俣市さんとかも参加すべきなんじゃないかという声があがっていました。県との再懇談では、地元自治体の参加を促す考えはあるのでしょうか。あとすみません、最後に水俣病患者連合さんとか被害者獅子島の会さんからは、懇談の再開催の要望とかは、いま県独自の開催要望は無いのでしょうかということを伺いたいです。
木村知事
1点目の進行については、これはもう団体側とこれから詰めていく中でやればいいと、いいやり方を模索したいと思っています。実際、昨日までの国との懇談においても、団体側が司会するときもあれば、昨日・一昨日の場合は、逆に国の環境省の課長さんが司会をしてましたので、それも団体側の希望に応じて考えていきたいと思います。
市町村を入れるかということについては、これはまだそういう話になってません。まずは県と意見交換をということでしたので、まずはその上で、ただまだ8月4日のことですので追加で何か要望があれば、それはそれで考えなければいけないのかと思っています。まだ今のところはそういう話にはなっていません。
3点目の患者連合さんについては、投げかけはしております。ただ患者連合さんとの場合については、ある程度、昨日の段階までに私どもは、要望に対してはお返しをしていますし、昨日取材された方々も(見られたと思いますが)、実務的な意見交換のモードにも入りましたので、いるかどうか含めて、そこら辺はまた団体側と相談することになろうかと思います。
Q
昨日大臣が、離島手当についてはですね、出来る方法については任期中に編み出す予定、一種の抱負というか意気込みを語られました。知事としてもですね、任期まだ始まったばかりですが、水俣病の抱負、大項目についてですね、任期中に何かしたいというようなことはありますでしょうか。
木村知事
繰り返しなんですけれども、今回、水俣病のそもそもの県の、いわゆる拡大を広げさせてしまったところにおける加害責任の一翼を、一端を、国と県が、平成16年の判決で確定したというところの中で、やっぱりしっかりやっていかなければいけない。
ただ、いろいろするにしても国の水俣病総合対策費といってですね、県と国で負担しながらやるという仕組みを使って、いろいろな福祉政策も含めて充実させていますので、切実な願いを持って今、団体から来たものについては、やはり国と県でやるという整理のものばかりでございますので、まず、要望の強かったそうした手当とかについては、最終的にはちょっとその国の補助制度の、中身を変えなければいけませんので、そこについてしっかりと要望内容を実務的に整理していくところに県もしっかりとコミットして、何とか形を作っていきたいと思っています。私の任期中は、任期と言うのは4年間の中で、出来ることはやっていきたい。もうあらゆることをやっていきたいと思っています。