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令和6年5月10日(金曜日)10時00分~
日時:令和6年(2024年)4月5日(金曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
説明資料
発表項目・コメント
・「こどもまんなか熊本」の実現に向けた取組み
・重要課題に対応するための推進本部の設置
・「アニマルフレンズ熊本」オープニングイベント
・「地域課題解決連携特区(連携”絆”特区)」の指定申請について
質疑応答
・「地域課題解決連携特区(連携”絆”特区)」について
・推進本部の設置について
・水俣病関係について1
・水俣病関係について2
・水俣病関係について3
・水俣病関係について4
・水俣病関係について5
・水俣病関係について6
・水俣病関係について7
・水俣病関係について8
・水俣病関係について9
・水俣病関係について10
・コチョウランについて1
・コチョウランについて2
・コチョウランについて3
・コチョウランについて4
・オートコールについて
・くまモンについて
・知事就任後の変化
・肥薩線について
・津波対策について
・情報公開について
・地方自治法について
4月16日に新しく県知事に就任いたしました「木村 敬(きむら たかし)」でございます。報道機関の皆様とは常日頃から色々と議論をさせていただいております。私は、記者会見の場は大事な場だと思っていますので、皆さん方とお話して、今のところ月2回という形になったようですけれども、多くしてくれと言われれば多くしますし、また、ぶら下がりの機会を設けて欲しいというのであれば、迅速にやらせていただきます。
なかなか一社さん独占となると、それぞれ皆さん大変ですし、せっかくこういう(県政記者)クラブ制度があるので、(県政記者)クラブを通じて申し入れていただければ、柔軟に対応させていただきますのでよろしくお願いいたします。
まず、「こどもまんなか熊本の実現」ということで、私自身がこどもまんなか熊本を最重要取組みに位置付けています。安心して結婚・出産・子育てができて、子どもがキラキラ輝く(熊本づくりに取り組みます)。
先般、問題になっている人口減少、消滅可能性自治体等の問題についても、一番大事なことは、子育て、子どもをまんなかに、安心して、結婚・出産・子育てができる社会を創っていくことだと思っています。
ということで、第一歩として私自身が「こどもまんなか応援サポーター」に就任したいと思います。今回、既にサポーターになっているくまモンと一緒に参加したいと思っておりますので、くまモンお入りください。
【くまモン入場】
こどもまんなかサポーターの就任宣言ということで、私、木村からは「安心して結婚・出産・子育てができて、子ども・若者がキラキラするこどもまんなか熊本」を実現したいと思います。
私自身、子どもがいないものですから、ともかく子育て政策のために、多くの子育て世代の県民や県の職員など、当事者から意見をしっかり聞いていく場をこども未来創造会議などで作っていき、かつ個別の企業や団体、市町村とも意見をくみ交わして安心して働ける職場環境づくりをやっていきたいと思っています。
また、後ほど申し上げますけれども、「『こどもまんなか熊本』推進本部」を今月末に立ち上げ、しっかりと県として推進して参ります。
【くまモンフリップ:世界中のお友達にハッピーとサプライズば届けるもん】
くまモンは、既にサポーターに就任していますが、「世界中のお友達にハッピーとサプライズば届けるもん」ということで、くまモンと一緒にしっかりとこどもまんなかを応援して参りたいと思います。よろしくお願いします。
私自身がよかボス宣言というものも行っています。これは、県の知事として、代表として、職員が働きやすいワークライフバランスの整った状況にするために、職場環境づくりをしっかり行っていくぞ、ということで、よかボス宣言を行いました。そして、これを県内の企業や団体にも広げていきたいと思っております。
さらにもう一点、新しいロゴマークをくまモンと一緒に作りました。こどもまんなか熊本という形で、くまモンと一緒にこの旗を振っていこうと。
また、みんなが旗を振って取り組む姿をくまモンに見つめていただくような、こういうロゴマークを作りました。今後、「こどもまんなか熊本」をしっかり推進していきたいと思います。くまモンありがとう。
続いて重要課題の対応を推進するために、3つの推進本部を立ち上げることといたしました。私が就任会見のときに職員に向けて指示をしたものが、大体形になりつつありますので、今月下旬から随時立ち上げたいと思っています。
1つ目が「地下水保全推進本部」です。
これは県民の皆さんの最大の懸案事項でもあります、熊本の宝である地下水を将来にわたって確実に残し、半導体産業などの集積とともにしっかりとした熊本を作っていくというものでございます。
「水量」と「水質」の両面からしっかりアプローチしていきたいと思います。5月27日に私をトップとした本部を立ち上げます。なお、3つとも私をトップ(に推進して参ります)。
2つ目が「『こどもまんなか熊本』推進本部」、先ほど申し上げたものでございます。
これは5月29日(に立ち上げます)。
3つ目が「渋滞解消推進本部」ということで、これまた熊本の喫緊の課題であります交通渋滞の解消に向けまして、道路ネットワークの整備や、利便性の高い公共交通網の整備などを推進していく組織を立ち上げます。これは6月5日に(立ち上げを)予定しています。
それぞれ詳細は、各課で準備をして、関係部局と議論を始めていますが、本部体制の目的はオープン(に議論すること)です。最初から最後までメディアの人にも入ってみていただくことを一番大事にするようにと言っております。
県民の皆さんが不安に感じていることを、県庁として関係部局が横串になって取り組んでいく、どういうことをやっているのかということを、この本部を通じてお知らせするということも趣旨として入っていますので、可能な限り報道の皆さんも取材いただけるようであれば、よろしくお願いしたいと思っています。
また、この3つ以外の様々な本部をこれから随時立ち上げていきます。
次に、三点目は「アニマルフレンズ熊本フェスタ」。
熊本県の動物愛護センターが松橋にオープンしましたので、このフェスタを5月26日に行います。
愛護団体の皆さんと一緒に保護犬とか保護猫の譲渡会などを開催したり、お仕事体験をしたり、いろんなことをやって参ります。ぜひ、多くの県民の皆さんにもお越しいただければと思っています。くまモンもクイズ大会をやります。
4つ目の発表項目が、国家戦略特区にチャレンジしていますということの表明です。これは、まだエントリーをしている段階ですけれども、皆さんにお知らせしたいと思いまして、地域課題解決連携特区という国家戦略特区、通称「絆」特区と言っているんですけれども、その募集が昨年からありましたので、熊本県としてエントリーをしています。
特区ですので、ある一部の規制を緩和してもらうということですけれども、外国人材をこれからいかに熊本は積極的に取り込んでいくかという中で、まずは半導体関連産業人材の在留資格の審査、特に地元の企業の経営状況に関する審査を県が代行して、しかもあらかじめやっておくことで、在留資格審査期間を、今まで3か月くらい最大かかるところを1か月以内に短くしようという特区申請でございます。半導体関連の外国人人材の円滑な確保に努めたいと思っています。
ちなみにこの半導体関連産業の在留資格の迅速化が認められてうまくいけば、他の産業についても外国人に選ばれる熊本を創っていきたいというのが私の想いでもありますので、特区として認められた場合の対象範囲の拡大というのは、たらればの話ですけれども、狙っていきたい。
次に国家戦略特区は、私自身、東京にいたころに担当していたことを思い出しますけれども、現在エントリーをしている状況ですが、これから多分ヒアリングがあって、うまくいけば14件目の指定となりますので、それを目指しています。過去何回も実は別の案件とかでチャレンジして打たれています(採用されていない)ので、今回もどうなるかわかりませんけれども、頑張ってチャレンジしていこうと思っています。これはホームページとかで調べればわかるんですけれども、ちゃんとみなさんにご報告しておこうと思って今日発表しました。以上でございます。
(幹事社)
発表項目と発表外で二点伺います。まず発表項目の「絆」特区なんですけれども、現在エントリー中ということですが、こちらが実現した場合、改めて中小企業のメリット、また、来るであろう外国人労働者へのメリット、熊本県のメリットをどのように考えているか教えてください。
木村知事
まず一点目ですが、特に県内の中小企業が外国人材を受け入れる際には、この経営審査、自分の所がどれだけ経営的に大丈夫かというのを証明するのに、今まで時間がかかっていました。そこを県が依頼した中小企業診断士などにも入ってもらって、バックアップしながら行うことで、何か月もかかって入管の在留資格審査を経ると、こぼれてしまうことが起こりうる(中小企業が外国人を雇用することを躊躇してしまう)ことを、中小企業も含めて外国人材を雇いやすくするということで、この特区に意味があると思っています。これによってなるべく多くの半導体に関する人材が海外からも熊本に引っ張れるようになるとの効果が期待されると思っております。
Q
発表案件で推進本部を立ち上げられるということで発表されましたが、今後の進め方としては、フルオープンということですけれども、これ毎回テーマを設定されて、そのテーマについて部局横断で議論を進めていかれるというような形ですか。
木村知事
はい。地下水保全を例に挙げれば、水量の問題と水質の問題があり、当然本部ですから、本部以外にいわゆる担当レベルの会とかも別途設けながら内部でしっかり検討して、成果を常に報告し続けるという形です。だからテーマというのは本部自体が1つのテーマと思っていますので、その都度、(テーマは)いろいろある(と思います)。水量というところも涵養をどうするか、その中で今は対象外の阿蘇地域といった上流域はどうするか、水質でいけば、地下水の水質だけならPFOS・PFOAみたいな話とか、硝酸性窒素みたいな話とか、多分いろんなテーマがそれぞれにあると思うので、それの最新の検討状況を共有して、推進している、対応を講じている様子をやはり皆さんに理解してもらうこと(が重要)と思っています。
(幹事社)
もう一点、発表外の項目になるんですが、5月1日の水俣病犠牲者慰霊式後の懇談で、環境省の職員が発言中にマイクの音を絞る、切るということが問題になっておりまして、国会のほうでも環境省の水俣病問題に対する姿勢というものが問われる事態となっておりますが、その場に同席していた木村知事としてどう感じているか、改めて教えてください。
木村知事
5月1日は私も大事な日ということで朝からずっといろいろな施設や、乙女塚を訪問し、意見交換をしながら過ごしていましたし、慰霊式も頭から最後まで全部出たのは初めてでしたので、それも含めて、語り部の会の方、そして今回問題が起きてしまった関係団体との意見交換も全部同席させていただいて、非常に重いというか、この水俣病の問題が熊本県政にとって未だ解決しきれていない大きな課題であるということを強く認識しておりますし、深く思いました。そうした中であのようなことが起きて、本当にもう、簡単に申し上げれば本当に残念に尽きます。私もその場にいましたので、本当になんでこうなっちゃったのかなというところがあります。これは私の口から言うのはどうかという意見もあるかもしれませんが、伊藤大臣はすごく真剣に聞いてくださったと思うんですよね。ただ、ああいう事務方の不手際で、せっかくの意見交換が、また大臣が真剣に聞いてもらったのが、台無しになってしまったのが非常に残念です。私はその日に終わってすぐ大臣を送り出す際に一緒にいた秘書課長さんに、「これじゃあかんですよ。」と、「見直さなきゃいけませんよ。」ということと、「あんまりきつきつの日程を組まん方がいいですよ。」ということはその日に申し上げました。ただ、その後の事務方との話し合いもうまくいかなかったようでして、ただ、しっかり大臣が来て謝ってくださったことは、私は素直にそれはそれで正しいことをされたと思っています。意見交換を再度するということを大臣、環境省が明言されましたので、お声掛けがあれば、なるべくなら私も一緒に立ち会ってしっかりとお声を聴いて参りたいと思っています。以上です。
Q
水俣病の件でもう一点、意見交換の場を環境省として改めて設けるというお話がありますけれども、木村知事自身として、患者だったり被害者の方から意見を聴く機会というのを設けたいと想いはありますか。
木村知事
はい、当然それはいつでも私は門を開いております。実際、慰霊式の時にも、その前に明水園とか“ほっとはうす”に行って胎児性(水俣病)の方とか小児性(水俣病)の方とかの被害者の方のお話を聴きました。ただ、この長い経緯の中で、さっきの代表取材にも近いものがありますが、特定の団体の人にだけ会うとか、この人に会わないとかいうのは良くないですし、また、今回の環境省の問題で露呈したのは、事前にちゃんとどういう段取りでやるかという打ち合わせを、どうも聞いた限りでは環境省と団体で十分にされてなかったということ。私はなされて当然だと思っていたんですけれども。県と話し合いをする場においては、どういう風にそれを進めていくかとか、どういう方々にお声がけをするかとか、しっかり詰めた上で場を設けたいと思います。一方で、裁判もかかっていますので、裁判中の人たち(関係者方)とどこまで訴訟進行中に会うかというのは、これはもう純粋に難しい問題もいろいろあろうかと思っています。ただ、そういう中でもなるべく多くの方としっかりと意見を交わしていきたいし、なるべく環境省にも、県がやる場においては環境省にも来てもらうとか、相互に乗り入れて、ちゃんと片方が聴いて片方が聴かないという風にならないように取り組んで参りたいと思っています。
Q
先ほど質問で出た水俣病の関連でまたお伺いいたします。今回マイクを途中で切られた問題について、この発言を遮られた団体側に対して持ち時間を過ぎた側が悪いといった趣旨の、団体側を非難する内容の電話がかかってきているということは団体側の取材で分かっているんですけれども、これについて知事にお伺いいたします。
木村知事
はい。私もそれは今朝の新聞の報道で知りまして、非常に憤りを感じます。やはり、ヘイトと言っちゃいけないかもしれませんが、あのような偏見、差別はあってはならないと思っています。もちろん時間を区切って話をすることはあるにせよ、つらい立場、苦しい立場に置かれた方が必死の思いでしゃべったことですので、今回の環境省側の対応についての問題点はありますけれども、そうした方を批判する動き、過去も熊本県の場合、温泉ホテルの入室拒否事件のハンセン病の件も聞いておりますので、やはり今もこういうのがあるのかと思って私自身は非常に憤りを感じました。今回の件でいえば水俣病問題に関する患者、被害者の方ないしはそれを支援する方に対する差別、偏見、誹謗中傷があってはならないという意識啓発を徹底していきたいと思います。
Q
水俣病に関して数点教えてください。
懇談当日、知事も会場にいらっしゃいました。マイクの音が切られたことに気付かれなかったのかという点と、そして3分以上経ったらマイクが切られるという運用方法というのは、そもそもご存じだったのでしょうか。
木村知事
まず当日、会場に私もいました。大臣の隣でお話を聞いていました。必死にメモを取る感じでした。マイクを切るというよりも、3分で打ち切るというのは、最初、その場でありました。それで「あれ?マイクが切られてるんじゃないの?」と、後からちょっとごだごだっとなっていました。ですからマイクを切るという運用は全く私たちは存じ上げてなかったです。だから3分でそろそろというのは、その場の雰囲気で私は分かりました。けれども事前にはそれも知らないです。ただ毎年そういう運用がされているというのは、その後にうちの県庁の担当課からは聞きました。
Q
懇談会中や記者会見の場で環境省の対応をすぐに正す発言をされなかったということに関してはどのようにお考えでしょうか。
木村知事
まず、記者会見で、私は、運営は見直されてしかるべきということを、あの日、大臣が帰られた後の単独会見の時に言っていますので、その時のメモでも、来られた方のメモを見ていただければと思います。私は記者会見に行く前に、大臣を送り届ける中で秘書課長に「あれはあかんですよ。」とは言いました。ただ、確かにその場で、大臣とかがいる中で、最後の方はぐだぐだぐだと揉めだした。主催者は環境省でもありますし、現場にいない方のことを言うのは申し訳ないんですけれども、私は、本当に伊藤大臣を横で見ていて、真剣に聞いていらっしゃっていて、とてもうるうるもされていた。その前に語り部の会のときもそうだったんですよ。すごく大臣はまじめに聞いていらっしゃって、ものすごいメモをいっぱい取っていらっしゃって、だからそこで、まず大臣に文句を言える雰囲気じゃなかったですね。私の感覚では。それで、事務方も何やっているんだって気持ちはありましたけれども、これは一旦この後でまた反省してもらえればいいかなと私は思っていました。実際そうされました。私はその後、秘書課長にも申し上げましたし、それに沿って今動かれていますので、しっかりと県も環境省と一緒に再度話し合いの場を持ちたいと思います。
Q
あと一点教えてください。環境大臣が謝罪に来るとなって、8日に知事は大変残念に思うとコメントを出されましたけれども、被害者や患者に寄り添う気持ちがあるのなら、環境省に対応の改善を求めるということを、もっと早くに文書なりでお伝えしてもよかったのではないかと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
木村知事
ただ、その間4日間お休みですからね。環境省も意思決定はそれ(関係者の方々の意見等)を受けてすぱっとされたんじゃないかと私は思っているんですけどね。私は秘書課長には申し上げていますので、私はあの時、出来た対応をしたと思っています。
Q
休日が終わってすぐにでも環境省なりに対応を改めてくださいと、県として公式にお伝えもできたのかなと思ったんですけれども、そこは秘書課長に事前に伝えていらっしゃるからっていうことでしょうか。
木村知事
確か記者会見におられた方から、変なパフォーマンスをするなと私たちはお叱りも受けていたんですよ。ですから、やはりまずは事実関係をしっかり押さえて、ともかく話を聞くことに専念するというか、その場で、しかも今にも泣き崩れかねない大臣を説教しても、しょうがない局面だと私は思いました。国への要望に5月に行くこともあり、大臣があの事件を踏まえて、また、私が秘書課長に言ったのはどこまで通じたかは、分かりませんけれども、私はむしろ大臣は迅速に謝罪をされたと思っています。
Q
水俣病の関連で二点だけ質問させていただきます。一点目が先ほどとちょっと被るところあるかと思うんですけれども、その場にいらっしゃった木村知事(に対し)、団体側からは、あの場で気付いていたのならば、木村知事にも何かしらの行動を取ってほしかったという声があります。その声についてはどういう風に思われておりますでしょうか。
二点目ですけれども、先ほど環境省と再度改めて懇談の場を設けるというお話、そこに同席したいというお話ありましたけれども、県として独自にやられるというお考えはありますでしょうか。この二点お伺いします。
木村知事
はい。一点目はたらればの話ですから。ちなみにそのときに団体から「何で木村知事もそこに抗議しないんだ」とかいうことは一切無かったです。むしろ団体、しかも全体の中でその場にいた方は分かると思うんですけれども、最後の方に(会を)締めましたというところでガチャガチャガチャと揉めているんですよね。大臣は会場を出ていて、私はそこに付いて行かなきゃいけないという中で、せいぜいあの段階でパッと出来たのは、事務方のそれなりに偉いというか、大臣の秘書課長は、水俣病のこと(業務)のご経験がある方です。だからこの人なら分かってくれるだろうということで、「これはいかん、このやり方はダメですよ。」という風に申し上げたというところですし、やはり大臣が本当に胸に刺さっている中で寄ってたかって、大臣にちょっと私が何か横からさす気にはあの時はなれなかったです。
ただ、真剣にお声を聞くということについては、あの時もそうですし今も「短いよなこれは。」という思いは当時からありましたので、これから環境省が再度意見交換をするというのであれば同席しますし、県として求められればやります。ただ、先ほどちょっと質問にも答えたんですけれども、特定の団体、いつもまず県の水俣病、特に保健課を中心に職員は日々、団体や患者・被害者の方とは意見交換というか、体調はどうですかとか、そういう日々のお困りごと相談も含めて、もう何十回、何百回とやっているんですよね。だから、その上で団体交渉みたいな場が、しかも実際多分いろいろ折々多分やってはいるんですよね。裁判の後に抗議に来られて、その時には、ちゃんと担当課が受け止めたりしています。ただ、そうじゃなくてもう少し、裁判とかとは関係なくて冷静に、訴訟じゃないところでこういう実相を聞いてほしいみたいな意見交換を求められれば、どういう座組がいいか、長年のいろいろご苦労の中で、5月1日の枠組みが団体側にもいろんな意見のある方がいる中であの座組が出来ていると思うので、私は基本あの枠組みは大事にしてほしいし、ただ、もちろんそれに入れていない人が入りたいとかいうのであれば、それまた皆さんと相談の上でやっていくべきだと思っていますので、県が一概に「すぐやります」とかじゃなくて、やはりどういう風にやっていくか、それでまたその時間はどうするかとか、今回の一件で逆にそこをしっかり調整しなきゃいけないということもよく分かりましたので、県として求められた中でやる時はしっかり対応させていただきます。
Q
求められて、求められたら開くというのは、知事もご出席の上でということですか。
木村知事
私が出られるときは出ますし、ただ、逆に言えば私が出ちゃったら最後なんですよね。だから何かそこで揉めた時にもう一回とかが出来なくなっちゃうんですよね。それも含めて私が出なきゃいけない、出た方がよろしい場面は出ます。ただ、一方でやはり繰り返し言うと裁判とか抱えていますので、そうした中で、双方のトップが法廷外で争うのが本当にいいのかというのは良く考えなきゃいけない。そこはちょっと弁護士の先生も含めて、慎重に整理が必要だと思いますけれども、私はお会いして意見交換をすることは全く問題ないと思っていますし、避けるものではありません。そしてこれまでもお話は聞いてきていますし、5月1日午前中もそういう話はして来ていますので、それらも含めて誠心誠意、対応して参りたいと思います。
Q
水俣病についてなんですけれども、昨日の夜に環境省が当時の台本を公表されまして、3分でマイクオフというのを明記されていましたし、また、気になったのが、時間を短くしたから後でしゃべらせろと言われた場合などと書かれていて、事務方が作成したものとはいえ特殊疾病対策室長の了解のもと進めているもので、国の水俣病、または水俣病患者に対する酷薄な目線というか、これは何に起因するものだと知事はお考えでしょうか。
木村知事
難しい質問ですね。ただ、難しい質問ですけど、環境省側のそういう資料については存在を存じ上げないので申し訳ない。もし、今日、報道に出ていたら、まだ読んでいない。
私がやはり一番残念だったのが、発言は3分にお願いしますという、いわゆる段取りを(どのように行ったかを懇談会後に)私がうちの担当から環境省に確認してと(指示して)聞いたのが、3分というのは事前に団体にメールを送って、特段返事がなかったから了解されたんだという環境省の説明ぶりが、やはり私の感覚からすると心がこもっていないなというか、やはり「これでいいですね」ぐらいの、「いいですか」とかいう電話一本あってもいいのかなと(思います)。メールの返事が無いから了承って、メールが届いていないかもしれないじゃないですか。
そんなのを含めて、やはりちょっと気持ちが薄いというか、ちょっと残念でならないです。多分それが先ほどの質問の答えにもなるのかなと思っています。
東京と水俣の距離なんですかね。
そういう意味では、だからこそ県がやるべきことというのがあるのかなということも感じます。
それはもっと、やはり環境省で寄り添いきれない部分をしっかり県としては先ほどの、県独自でもしっかりやるべきことをやっていくということに尽きるんだと思います。
Q
しつこくて申し訳ないんですけれども、水俣病問題について伺います。
熊本県はやはり水俣病被害を拡大させた責任があると思います。知事は5月1日のあの場には熊本県民の代表としての立場としてもあの場にいらっしゃったと思います。
患者側の視点といいますか、当事者意識といったところが少し希薄なんじゃないかというように感じるんですけれども、抗議とまでは言わないんですが、8日に出された知事コメントも含めて、もう少し毅然とした態度をとってもよかったんじゃないかと感じるんですが、その点についていかがお考えでしょうか。
木村知事
繰り返しになるんですけれども、本当に大臣は良く聞いていた。
本当に良く聞いていらっしゃったと思っていました。その中で、あの場で、事実上大臣も環境省もつるし上げになっているんですよ。それで環境省の室長は良く分からない態度だけど、謝ってはいたんですよね。
だから、あそこで県知事が、まあまあといって仲裁することはあったかもしれませんけど、もうちょっとしっかり座を組み直すなり、考え直しがあったかもしれませんけれど、毅然と環境省に文句を言うというのが本当にあの会、ああいう意義のある、そもそも3分に区切ったこととかが問題なんですけれども、あの意見懇談の場を、やっぱり大事だと私は今でも思いますので、これから環境省を含めてしっかりと向き合っていく。もちろん県知事としてしっかり向き合っていく所存でございますので、これからの態度で示すしかないと思います。
Q
水俣病の件に関して、昨日、伊藤大臣が、現行法制の中で救済について足りない部分があると指摘されている。一政治家として努力がしたいとおっしゃいました。
現行法制で救済について足りない部分がある、ということについて、知事も何かお考えなのかということと、昨日、伊藤大臣が特殊疾病対策室の人員を増やす方針も表明しました。熊本県も水俣病の解決に向けて何か取り組みを加速させる考えがありましたらお聞かせください。
木村知事
はい。前者の点についてはすみません。私、今、初めて聞いたので、環境大臣、環境省として現行法制で足りていないものというのは何なのか環境省に確認してからじゃないとちょっとコメントが出しようがありません。
というのが、今出来うる限り、あたう限りでやるという中であった特措法であり、公健法であり、様々な政治決着がある中で、それを足りないというのが何かは、今のところ私には分からない。
やっぱり今の中でやれる、今の法の中でやれる限りのことをしっかりやっていく。
二点目は県としてやるべきことは、ともかく今回やはり、私は少なくとも非公開であった午前中の各団体、各施設とかも含めてお話を、意見交換をしてきたんですけれども、まだまだ足りないというところについてはしっかりと向き合っていくべきものだと思っています。まずはそうやって、患者・被害者の方々の声をやはり聞き続けていくことが県の責務だと思っています。
実際に先ほども申し上げた具体的な数字は、申し訳ないですが水俣病保健課にでも聞いてもらえればいいんですけれども、本当に何十回、何百回とうちの職員は日々御意見を聞いています。
一概に人を、数を増やせばいいというものではないと思っています。むしろ量より質というか、この水俣病の問題に理解のある職員をしっかり養成していくことに尽きると思っています。
Q
あと水俣病関連で二点伺います。今回の問題の本質がどこにあるとお考えかということなんですけれども、大臣は真摯な姿勢で聞こうとしていた。で、環境省の責任者は大臣ですけれども、先ほどのお話ですと事務方が台無しにしてしまったと。限られた日程の中でいろいろな政策をこなすことがやっぱり難しいところがあるのか。大臣はしっかり聞いていたのに事務方がそう出来なかったというところの差がどうして起きたのかということが気になるので教えてください。
木村知事
それは私が聞きたいくらいですけれども、やっぱり一番は、私もかつて役人であった人間として、やっぱり丁寧じゃないのはその会の運営の方向について、主催者である環境省と参加する団体側が十分に事前に相談をしていなかったと思われることです。そうしたら現場で揉めますよね。だからそこがやっぱり僕は良くない(と思います)。それだけ丁寧にその団体の方々と意見を交わすことを、環境省が出来ていなかった。もちろん県も不十分といわれる可能性もありますけれども、今回の運営についてはそこが出てしまったんじゃないか。やっぱりより丁寧に団体や患者、被害者の方に寄り添っていくことが必要なんだということを感じました。
Q
最後一点です。当日の知事の対応について先ほどからいくつか質疑があったと思いますけれども、今振り返って後悔とか反省があるというよりは、出来ることはしたという今の振り返りということでよろしいでしょうか。
木村知事
そうですね。私はあれを、たらればでああしときゃよかったと言うのはよそうと思っています。まずはやはり、あれがまずい運営だなというのは、それは良く分かりました。しっかり、これから、次の時に、いい意見交換が、患者、被害者、団体の皆さんがちゃんと想いを聞いてもらえたと思えるような運営になるように、県としても協力していきたいと思います。
Q
先ほど水俣病の関係で、知事が「大臣と環境省の担当者は事実上のつるし上げになった。」という、つるし上げという言葉は実際に縄で縛って木につるし上げる、実際の行動、あるいは私たちもほとんどの場合、ネガティブなイメージで使うんですけれども、知事としては患者団体が、大臣や環境省をつるし上げていたという認識でご発言をされたんでしょうか。
木村知事
素直に言葉を訂正いたします。申し訳ありません。そういうふうに受け取られかねない表現だったことはお詫びします。
非常に厳しい怒号というか、厳しい怒りを込めて大臣や担当者を叱責されていたことを言いたかったまでです。申し訳ありません。訂正いたします。
Q
水俣病の件なんですけれども、水俣病の公式確認から68年経ちました。今回の問題で、被害者の方が救済されていない状況だったり、差別や偏見の目がまだ続いている状況が全国的に明らかになったと思いますが、水俣病の問題を長期化した原因というのが、県にあるとどういう認識でしょうか。
木村知事
長期化した原因が県というよりも、県は発生の拡大を防げなかったというところでの責任は明確に裁判、関西訴訟で決まっていますので、そこの漁業取締または、保健所の権限の行使が不十分だったというところについては、私もそれは県に責任があると思っています。解決が長引いていることについては、その都度都度、元々ある法律だったり、新しく特措法ができたり、政治決着・解決的なのがあったりという中で、県は県なりに努力をしてきたと私は思っています。ただ、ここまで長引いている、またはまだ訴えている方がいるという現実は、しっかりと受け止めて対応していかなければいけない。また、今も苦しんでいらっしゃる患者、被害者の方に寄り添うとともに、差別や偏見を許さないことについて、県としての毅然とした対応もしっかりと続けていきたいと思っています。
Q
長期化した原因は国の方だということでよろしいですか。
木村知事
まず原因企業でしょうね。その長期化の原因というのが、裁判で決めている話じゃないと思うんですけれども、少なくとも、最初の発生原因といいますか、拡大させてしまった原因企業と、ちゃんとした規制を講じなかった国と県というところの三者の責任ということであれば、その三者のもとでしっかりと解決できなかったという意味において、県にも責任はあると思います。無いとはとても言えません。言うことはできない。
Q
また水俣病の慰霊式の日の問題についてなんですけれども、当時の木村知事の考えであるとか、意見というのは十分伝わってきました。ただ、来年以降もこの時期5月1日には慰霊式があったり、団体との懇談などもあると思われます。今後詳細の調整というのはもちろんあると思うんですけれども、例えば知事個人として、日帰りではなくてもっと日程にゆとりを持ってほしいでありますとか、3分のルールというのは少なくとも撤廃すべきだというような、現段階で言える部分、知事の個人的な想いとして、来年以降、少なくともこうしてほしいという考えは現段階でありますでしょうか。
木村知事
3分は撤廃すべきだと思います。3分というのはやっぱり短すぎます。ただ、事前に団体とちゃんと話し合っていれば、こうはならないんですよ。団体の方が一生懸命読み上げたかった原稿は、どう考えても3分じゃ終わらない内容なので、そういうことを事前に信頼関係を持ってお話ししていたら、それは分かるはずだし、事前に大臣が読んでおけば、コピーでも事前にいただければ、(3分じゃ終わらないと)なると思うんですよね。まずは、一つは今日の報道にもありましたように、一方的に想いを聞く機会が無いので、言いたいだけ言ってくださいというのが基本姿勢が前提のうえで、大臣の声も聞きたいということをおっしゃっていた。であれば事前にもうちょっと相談しておくとうまくいく(と思う)ので、まずもって時間制限は、無制限というとどうなのか分かりませんけれども、ただ言いたいだけ言ってもらえればいいと僕は思っているんです。環境省に最初はお願いしますけれども、やっぱり言いたいことを(言えるようにしてほしい)。私はちなみに選挙期間中に、例えば個人演説会なんかは質問が続く限りずっと質問してもらっていたんですよね。じゃそれで徹夜になるかというとそうはならないわけで、それで大体皆さん言いたいこと、想いを言ったらそれで(終わる)。日頃、大臣とか環境省に届いていないという想いがあるから、そこまで強く憤懣をぶつけられたんだと思いますので、しっかりと事前に団体の方々と話をしてくださいということに尽きると思います。
Q
今言った知事の考えであるとか、今後県の中でもおそらく調整されると思いますけれども、来年に向けて、ある程度、事前に環境省側に県として提言を行なっていくような考えというのはいかがでしょうか。
木村知事
まず環境省がちゃんとやってもらうというのが大前提なので、しっかりと事務的に日々環境省と県が連絡を取っているでしょうから、私の思いも伝えるようにしますし、大臣とお会いできる機会があれば、その時に直接伝えることもあろうかと思います。ただ、抗議文みたいなのを持っていって「えい」みたいなのは、それこそ批判されるパフォーマンスだという気がするので、まずはお互い、国も県も責任を有する、拡大責任、加害責任の一端を有するものなので、しっかりと向き合い方をこれから相談してやってもらう。彼らには彼らのやるべきことをやってもらうようにして、私たち県で出来ることはしっかりやっていきたいと思っています。
Q
先日報道もありました当選祝いで送られたコチョウランの件なんですけれども、その後何か対応されたことがあれば教えてください。
木村知事
はい。これについてはお預けしたある医療法人の従業員の方が誤解されて、貰ったかのように一部感じ取られる表現があったということで、非常にここは残念に思うし、申し訳なく思う次第ですけれども、私は預けたという趣旨は一貫して変わっていません。連休明けて、知事公邸からようやく前任者がお引越ししていただいたので、今、鋭意改修をしています。
Q
今まで出たいくつかのQ&Aのフォローアップでお尋ねしたいんですけれども、1つはコチョウランのことなんですけれども、これは一部返却されていて、まだ(全ての返却)完了はしていないという段階ということでよろしいでしょうか。
木村知事
はい。コチョウランはそうです。7名の方にお願いしたので、返却について、全ての方と連絡は取っています。回収します、ご心配おかけしましたということで。2個を妻が持ってきたとは聞いています。
実は知事公邸に入居するのが5月の中・下旬になるので、それまでには空いている部屋に置いて、水やりができる状況にはしているので、まだ全部は回収しきってはいません。ただ、全ての方に近日中に回収するということで了解をいただいています。
Q
あと一点なんですけれども、コチョウランについて預けているという認識で利益を与える意図はなかったということですけれども、それだと寄附行為の根本が揺らぐんじゃないかと思っていて。というのが何か物品を選挙区内の人に渡した時に、発覚したから預けたことにするということも今後できることになるかなと思っていて、そのあたり預ける時に頭によぎらなかったのか、そのあたりどういう認識なんでしょうか。
木村知事
私は明示して、「お預けします。」と口に出して、いわゆる預けるという故意、過失でいえば故意をもって預けているので、寄附行為、利益の提供にはなっていないと思っています。それに揺らぎはない。ただ、元々あげるといっていたのを、後から預けるということに切り替えたら、それはそれで問題があると思います。私は今回はそれはいけんて分かっているからしていないだけです。明確に預けるということでお預けしている。それは寄附に当たらないようにという思いからそうした。そこまでしてでもどうしても花が捨てきれんかった。自分が保持できなかった。すみませんバタバタした中で、預かった人のさらに周辺がそれを誤解することになったというところで責任を感じています。
Q
コチョウランのことについて細かいところなんですけれども、確認をさせてください。元々七か所に、合わせて十数個というお話しだったと思うんですけれども、2個奥様が持ってきたというのは2か所からという理解で合ってますでしょうか。
木村知事
はい、1個ずつ回収しました。
Q
それから空いている部屋に置いているというのは、知事公邸の空いている部屋に置いているということでしょうか。
木村知事
今はそうです。
Q
5月1日の質問のときに、1か月2か月経つとコチョウランが枯れてしまうんじゃないかというお話しもあったかと思うんですけれども、その2個というは今も咲いている状態でしょうか。
木村知事
ちゃんと預けていた方が水やりをしてくれています。
Q
今回のこれに関して識者からは、例えば政治団体の事務所に置いておくというような選択肢もあったのではないかという話も挙がっているんですけれども、その点はどうお考えでしょうか。
木村知事
3月の29日にこの問題がうちの家の中で勃発して、30日、31日が土日だったので、やっぱり土曜日にぱっと預けられる人ということで、知り合いの病院を中心にお願いしたというのは事実です。政治団体の私の事務所は間借りしていてとても置けませんし、土日も人がいないので水やりをする人がいないという状況です。どうしてもその時の緊急避難として、それしかなかったと思っています。
Q
最後に一点、今朝の熊日さんの報道でも出ていますけれども、知事選の時のオートコールの件です。 これはいろいろと選挙の告示後のネット配信などで、それが補欠選挙などにもつながっている事案もあったかと思うんですけれども、それとのすみわけというか、今回のオートコールに関しては公然にやはり問題はないというお考えだと思うんですけれども、改めて、その点、見解をお聞かせください。
木村知事
オートコールについては問題なく、公職選挙法で許されている(と考えています)。私もかつて公職選挙法の解釈の担当者を総務省でやっていましたので、その中でやれる限りのことをやるのが選挙だと思っています。例えば8時でマイクは収めるけれども、その後、23時59分までは地声であれば運動していいように、やはりやれる限りのことをやったということに尽きます。
繰り返しですけれども、オートコールは問題無いと思っています。問題無いというのは法的に問題ないという中で、こうやっちゃいけませんというところの課題はクリアしています。声をしゃべった人に報酬を払っちゃいけないとか、確かそういう解釈通知を出しているんです。それに沿ってやっていますので問題ないと考えています。
Q
先ほどくまモンが出てきました。蒲島前知事との会見でのやりとりもいろいろ注目されていたと思うんですけれども、今後くまモンとの関係をどう築いていきたいか教えてください。
木村知事
くまモンにつきましては、熊本県を世界にPRする、または、日本中にPRする最大のアイコンというか象徴だと思っていますので、今後も積極的に活躍していただきたいし、頑張ってもらいたいと思っています。まずは関連商品売り上げ2兆円という目標めがけて頑張ってほしいのと、くまモンだからこそもっとできることがないか。私も10数年この件で、くまモンに関わることによって職員がクリエイティブな事業を打ち出したり、チャレンジをしていますので、ぜひ、くまモンを通じていろんな発見というか、職員がより挑戦的になれるようになったらいいと思うので積極的に活躍していただきたいと思います。
Q
知事になって何か変化はあったかというところをお願いします。
木村知事
知事になって変わったことは、本当に責任の重さにいまだに身が引き締まる思いです。
5月の連休の後半に妻の実家に、ちょっと県外に休暇をもらって帰っていたのですけれども、やはり心配で心配でしょうがなかったです。毎朝、雨(の状況)を見たりとか、市房ダムの水位を見たりとか、やはりすごく身の引き締まる思い。だから戻ってきてほっとしました。4月17日就任翌日の愛媛での震度6弱の地震も、やはり久しぶりに緊急地震速報のあの嫌な音を聞いたときに、ああ、もう自分で決めていかなきゃいけないんだという、以前は蒲島知事のシナリオを書くのが私の仕事だったんですけれども、そうか、自分でこれをやる・やらないを俺が決めなきゃいけないんだという身の引き締まる思いが今もあります。
Q
話題が変わりまして肥薩線に関わる話です。復旧に向けての基本的な考え方、知事として今どう考えていらっしゃるかをお聞かせください。復旧に向けて動くということになれば、宮崎、鹿児島両県、JR九州との協議になると思うんですけれども、具体的な動きが県として今あるのか。もしないとすれば今後どういう方針で、考えで臨むのか。その辺をお聞かせください。
木村知事
はい。肥薩線につきましては基本的には全線鉄路での再開が望ましいというスタンスで、私たち、熊本県はおります。そのうち、特に県民の生活路線も観光面でのニーズが高い川線、人吉までは、(JR九州と)方向性の合意がなされ、基本合意書が締結されたので、最終合意に向けて詰めていきたい。
山線につきましては、鹿児島と宮崎が入ってきますので、両者オブザーバーにも入っていますけれど、JR九州さんと国との中でどういう形でその枠組みを作るかというところは、事実上これからの段階です。ただ一方で鹿児島県知事でしたかね。鉄道での再開を望むという声もありますので検討を進める、特にその議論の場づくりを早めに進めるように私も担当課に指示をしたいと思います。
Q
熊本県の津波対策についてお伺いしたいと思います。地震発生時にどのくらいの時間で津波が到達するかを示す津波到達時間について、熊本県が調査をされていないということを先日報じました。一部の自治体や住民からは調査を求める声もありますが、調査の必要性や今後の方針について知事のご見解をお願いいたします。
木村知事
あの記事は読みました。私もなるほどと思いましたので、一応担当課と協議をしまして、どういうやり方がいいか、どういう到達時間(のお伝えの仕方がいいか検討するよう指示しました。)担当課の話では、言い訳だけちょっと言わせてあげると、「何分です。」と言っちゃうと「その時間まで安心だ。」という誤解が生じかねないのと、津波って条件によっていろいろ違う中で、確定的なことは言いにくいと言うんです。ただ一方で浸水可能範囲というのは示している訳なので「矛盾しとるやないか。」という風に申し上げたところ、当時、熊本県は、浸水想定区域(の調査)を平成二十何年に九州内で2番目ぐらいの早さでやったので、その時のことでちょっと凝り固まっちゃっているので、もう一回頭を切り替えてやりなさいということで指示をしました。
Q
今後調査をされるのでしょうか。
木村知事
調査します。元々平成24年度に取ったデータをそのまま活用すればいいのか、少し応用する必要があるのか、どう伝えたらちゃんと住民の方に伝わるのかという市町村等との意見交換も含めてやりながら、できる限り津波到達時間についても整理して発表できるように作業の検討を始めるように指示をして、担当課も了解しています。いつまでと言えなくてごめんなさい。
Q
お話がありましたけれども、これまでの担当課の説明では、不確定な情報を示すことで住民の避難行動を遅らせかねないと。逃げ遅れにつながりかねないという理由があってこれまで調査されていなかったということですけれども、今回その方針を転換されるということになると思うんですけれども、理由といいますか、なぜこの時点で方針を変えるかというところを改めて聞かせていただけますか。
木村知事
浸水想定だって、ある特定の条件に基づいたパターンAの場合の浸水想定ですから、津波到達時間だってパターンAだからという(前提があれば調査ができるのではないかと思います)。あまり言い訳するな、知りたいという人がいれば、「浸水想定をやっているのに、何で到達時間はやらないの」というところであまり理屈が通らないよということです。だからやれることは、県民が望んでいて、やはり災害の情報というのはある一つの情報だけじゃなく、いろんな複数の情報の中でやるわけですから、参考となるような情報はいろいろ提供すべきだと思っています。逆に今回の報道でそういう問題がある、またはそれを次にうちが発表したことでまた津波の被害というのがこうあるんだというのを県民が知るいい機会になりますから、私は方針転換というよりも言い訳はしなくていいよということで、頑張ろうねということで言ったまでです。ですから、やはり必要な情報はいろいろあっていいと私は思っています。そこの理念の違いだと思っています。
Q
最後に、調査をされるということであれば、調査あるいは公表までのスケジュール感というか、どれぐらいの時間をかけてされるというのは。
木村知事
それもこれからです。ちょっとすみませんが、担当課に直接聞いてください。ただ、すぐに彼らもどうやったらいいか、今持っている平成24年度に取ったデータというのが、そのまま使える感じでもないような、私は印象を持ったのもあったものですから、浸水想定が分かれば、その分の到達時間というのは分かるんじゃないのと思ったんですけれども、ちょっと何か違う感じもあるので、しっかり検討させた方がいいと思いますので、お時間をいただきたいと思います。まだ確定的なことは言えませんし、多分、担当課に聞いてもそこまで言えないと思います。
Q
あと情報公開についてお聞きしたい。知事がマニュフェスト等で再三、情報公開を徹底する、蒲島県政以上に情報公開をすると謳われていると思います。情報公開を市民、県民が利用する最大の制度として、情報公開制度があると思うんですが、選挙中にもおっしゃっていましたけれども、基本的にはオープンにしたいということで、何か運用を変えられたりとか今後あるんでしょうか。
木村知事
はい。これも大変恐縮な言い方ではあるんですけれども、県民なり請求した側から見て不十分だと思われる事例を見ながら、一個一個潰していくということだと思います。
例えば、フルオープンにするのであれば、なるべく必要な決裁は少なくして、担当課なりの判断でどんどんやれるようにするとか、一個一個検討してみます。
ともかく全面非開示というものの論拠は全部が私のところにくると困るんですけれども、一応私にまで協議しろということは言っています。
今までもそれに近いような運用をされていたと思うんですけれども、蒲島知事があまりそういう細かいことまで任せたみたいな感じになっていた可能性が強かった印象があるので、今一度徹底したいと思っています。あとは不適切な運用事例から一個一個対処を考えていきたいと思います。
Q
地方自治法改正案についてお尋ねです。今国会で改正案審議されているんですけれども、その中身に国の指示権の拡充が盛り込まれていると思うんですけれども、見方によっては国と地方の対等な関係が損なわれるというような指摘もあるんですけれども、知事としての考えをお聞かせください。
木村知事
私は元々、総務省というところで地方行政、地方自治の発展をしたくて役所に入っている人間ですので、国と地方は今も対等であるし、これからも対等であり続けなければいけないと思っています。ただ、今回の改正は、細かいことまでは私も申し上げませんけれども、個別に限定列挙された中での指示権、特にコロナの時のあの混乱を思えば、もうちょっと国がやった方がよいという意見が当時47都道府県からもかなりあがっていた中での一策なので、私は今の法改正の内容で地方自治が完全に侵されるとは思っていません。また、当然そういう指揮権を与える個別の法律がこれから出てくるでしょうから、その都度都度ごとに、言うべきことは言う形でよいと思っています。国会の審議を見守りたいと思っています。