観察調査方式による利用者調査について (目的) 事業者が提供する福祉サービスについて、利用者と職員との関わりを通してサービス内容を確認し、その内容がどれだけ利用者の安心感や満足感に結びついているかを調査し、サービスの質の向上につなげる事を目的とします。 (必要性) アンケート方式や聞き取り方式による言葉のやり取りだけでは十分に意向や安心感、満足感等を汲み取ることが難しい利用者(知的障害者など)に対しては、本人の特性を評価調査者が事前に認識しておき、本人の日常生活に支障のない範囲で評価調査者が簡単な会話を交わすなど、利用者本人と関わりを持ちながら、事業所において日頃から自立を支援している支援員(スタッフ)や家族との連携の中で、本人の意向等を推測する調査手法(観察調査)が必要となります。 (観察調査) 利用者の調査が精確に行われる為には、多くの時間と評価調査者のコミュニケーション技術が求められます。この観察調査の手法は、利用者本人の特性を事前に承知しておき、サービスを受けている実際の場面を評価調査者が観察しながら、本人がどのような意向を持っているか、満足度はどの位か等について、事前に用意してある事項に沿って様子を見ていくものです。 (個人情報の取り扱い)  観察調査を実施する関係者には、守秘義務が課せられており、知り得た利用者の個人情報等について、プライバシーの保護に十分留意する必要があります。また、観察調査の実施に当たっては、観察調査を行う利用者の家族、保護者又は成年後見人から、別紙「観察調査に関する同意書」に同意を得たうえで行う必要があります。 T.対象者 アンケート方式や聞き取り方式による言葉でのやり取りで十分に意向や安心感・満足感等を汲み取る事が難しい利用者に対して行う。 U.調査時間 観察時間は 6:30〜21:30 V.調査手順 (1) 調査に当たる人は、事前に本人のコミュニケーション能力を確認し(コミュニケーションシート【様式1】を活用する)、行動、特徴、意思の表現方法等について情報を十分に把握しておく。 (2) 調査員は、出来るだけ本人をとりまく環境の状態を事前に理解し、不自然な形で調査する事のないようにする。 (3) 調査員は観察シートを活用し調査を行う。その観察シートは、観察シートA【様式2】、観察シートB【様式3】とし、その観察のまとめを行う。 @観察シートAについて 利用者の一日の生活の流れに従って観察し、本人の様子、支援員(スタッフ)の支援状況を参考に、その時の本人の気持ちを表情や事前情報等から推測して記入します。特に、自立支援計画と支援内容との乖離に十分留意し、本人の様子やスタッフ支援の状況を記入します。 A観察シートBについて 観察シートAで、網羅できない事項について観察します。観察の視点に沿って各項目(居室、服装・髪型、支援員(スタッフ)、地域)の様子を具体的に記入します。最後に本人の気持ちを推測して記入します。 ※ 本人の気持ちの推測は評価に差が出るように5段階に設定してあります。 ※ 観察項目は、アンケート調査・聞き取り調査に準じた項目です。 B最後に観察調査結果について、観察シートA及び観察シートBを踏まえて、観察結果をまとめます。【様式4】