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やつしろの土と人が創り出す芸術
歴史探訪 細川忠興公の典雅の粋を伝える
元祖は「文禄の役(1592年)」の後に加藤清正公に、従って渡来した陶工尊楷[そんかい](日本名:上野喜蔵[あがのきぞう])が1602年、豊前国上野[ぶぜんのくにあがの]に窯を開いたことに始まる。
その後、高田焼[こうだやき]は細川家の御用窯となり、細川忠興[ただおき]公が八代城主として1632年に入国した時に従ってこの地へ移ってきた。忠興公といえば、利休七哲人の文化人として有名で、八代にも多くの文化遺産を残している。それだけに高田焼も日用雑器とは違い、青磁象嵌[せいじぞうがん]の技法を中心とした芸術性の高い気品ある趣が特徴である。
当初は、高田の奈良木[ならぎ](現八代市奈良木町)に窯を開き、やがて平山に移転。今では平山窯の登り窯がかろうじて原型を残し、往時の盛業を偲ぶことができる。近くには当時、忠興公に従ってきた上野喜蔵のお墓もある。
400年にわたり、代々受け継がれてきた技法が守られ、時代に合わせた作陶を今も見ることができる。
原土を乾燥し、粉砕し、ふるいにかける。
攪拌[かくはん]機又は手作業で泥漿[でいしょう]にし、水簸[すいひ]する。
脱水・手作業又はフィルタープレスで脱水する。
手作業又は土練機で練る。
蹴ロクロ、電動ロクロ、石膏型で成形する。
半乾きの時、平金カンナなどで仕上げる。
竹ベラ又は押印によって凹刻し、天草陶石をうめ込み、表面を仕上げる。
完全に乾燥させる。
700~950度で素焼する。
土灰、長石、石灰で調合した釉薬をかける。
ガス窯、重油窯などで1,250~1,300度で焼成する。
氷川町の石灰岩層が侵食されてできた岸壁と渓谷が美しい立神峡の近くに窯元はあります。食器や花器、お茶道具など生活に密着した作品が中心です。深みのある色合いと素朴な形は誰にでも受け入れられる親しみを感じさせます。
八代地域の伝説や民話を題材とした焼き物の人形です。特に、球磨川に中国大陸から渡来したと言われる河童(がらっぱ)や「とんち」でおなじみの彦一は人気で、お土産品として喜ばれています。
工芸品 | 工房 | 住所 | 連絡先・ホームページ | 見学 | 体験 | 取扱店 |
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高田焼 | 上野[あがの]窯 | 八代市日奈久東町174 (不定休) | Tel.0965-38-0416 高田焼、上野窯は四百年の歴史をもつ窯です。焼物の美しさをご堪能ください。<外部リンク> |
○ | − | 上野窯、熊本県伝統工芸館、鶴屋百貨店 |
八代窯 | 八代市上片町1951-3 (不定休) | Tel.0965-30-7872 | ○ | ○ | 八代窯、熊本県伝統工芸館、熊本県物産館、鶴屋百貨店 | |
伝七窯 | 八代郡氷川町今229 (無休) | Tel.0965-62-2452 | ○ | ○ | 伝七窯、熊本県伝統工芸館、まちつくり酒屋、 立神峡里地公園、熊本県物産館、鶴屋百貨店 |
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竜元窯 | 八代郡氷川町網道858-2 (不定休) | Tel.0965-52-1817 | ○ | ○ | 竜元窯、氷川町竜北物産館(ビストログリーン) | |
食器類 | 陶房立神峡 | 八代郡氷川町立神615 (不定休) | Tel.0965-62-4150 | ○ | ○ | 陶房立神峡、立神峡里地公園、 東陽交流センターせせらぎ |
蘭草焼窯元 | 八代市鏡町北新地362 (不定休) | Tel.0965-53-8070 | ○ | ○ | 自宅 | |
彦一人形・がらっぱ | 趣味の陶苑阿部 | 八代市岡町谷川609 (不定休) | Tel.0965-39-0660 | − | − | 趣味の陶苑阿部 |
※体験、見学は各工房により参加人数や料金などが異なりますので、必ずお問い合わせください。